NHKが主要企業100社にアンケート!春闘でのベア要求は6社と賃上げの勢い弱まる

独り言

NHKは、今月9日から23日にかけて製造業や小売など国内の主要な企業100社を対象に、今年の春闘などに関するアンケートを行いました。

100社へのアンケートなので、回答社数がそのまま%割合となり、傾向をつかむことができます。

今春闘について

・従業員の基本給を一律で引き上げる形でのベアと答えた企業が6社、
・子育て世代など特定の層に限って基本給を引き上げる形のベアが2社、
・賞与や一時金の引き上げが1社でした。

ベアを要求するのは6社に留まり、昨年の半数という結果になりました。
今春闘において、賃金や一時金に関する交渉が行われるのは9社と、企業の1割程度と言えます。
これまで、政府は企業に対し「賃上げ要請」をしてきましたが、賃上げの勢いは弱まったと言えます。
これでは「個人消費」も伸び悩みの傾向を示すことでしょう。

日本企業を牽引するトヨタ自動車も、春闘の要求額を昨年より下げています。

【トヨタ労組】2020春闘の要求額を昨年より下げる!一律ベア配分でなければ団結力も低下?
2020年1月23日 トヨタ自動車の労働組合はことしの春闘で、ベースアップや定期昇給などを含めた賃上げの総額として去年の妥結額を600円下回る1人当たり月額1万100円を要求する方針を固めました。ベアについては、一律での賃上げではなく、人事評価に応じて、差をつける新たな方法を提案する方針で、ほかの企業の労使交渉に影響を与えるか注目されます。 関係者によりますとトヨタ労組はことしの春闘で...

今春闘は、昨年よりも厳しいものとなるでしょう。

以下、春闘以外のアンケート結果を列記します。

東京オリンピック・パラリンピック後の国内景気見通しについて

・「拡大」と「緩やかに拡大」が合わせて30社だった一方、
・「横ばい」が43社、
・「緩やかに悪化」が18社でした。

景気が「横ばい」、もしくは「緩やかに悪化」と回答した企業に、理由を複数回答で尋ねたところ、
「個人消費の伸び悩み」が最も多く、「オリンピックの経済効果がなくなること」や「アメリカと中国の貿易摩擦の長期化」を懸念する回答も目立ちました。

「年功型賃金」見直しについて

・「抜本的に見直す必要がある」が9社、
・「部分的に見直す必要がある」が36社で、
・「見直す必要はない」は1社でした。

見直しが必要と答えた企業に、どう見直すか複数回答で尋ねたところ、「役割や仕事の内容を反映した賃金体系に変更する」が36社と最も多く、次いで「若い年齢層の引き上げ」が11社などとなっています。

企業が社員を定年まで雇用する「終身雇用」について

・「見直すべき」が27社、
・「維持すべき」が19社でした。

卒業予定の学生を特定の時期にまとめて採用する「新卒一括採用」について

・「今後も続ける」が最も多く68社、
・「すでに見直した」が10社、
・「見直しを検討している」が9社でした。

 

春闘以外の調査では、

「年功型賃金」ついて、45社が何らかの見直しが必要と回答し、「終身雇用」に関しては「維持すべき」と回答したのは19社と全体の約2割に留まる点も注目されます。

 

出典:NHK NEWSWEB 春闘「ベースアップ検討」6社にとどまる 企業100社アンケート より