【実務経験なし】中高年が宅建を取得しても転職の武器にならず!立ちはだかる年齢の壁

宅建

宅地建物取引士(宅建士)とは

簡単に言えば、不動産取引の専門家であり、宅地建物取引業法に基づいて定められた国家資格を有した者を言います。

宅地建物の売買や賃借等の取引に際し、

購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務を行います。

宅建士の独占業務と言える事務には、

・重要事項の説明
・重要事項説明書(35条書面)への記名
・契約内容記載書(37条書面)への記名

があり、宅建士がいなければ不動産取引は成立しません。

宅地建物取引業者は、その事務所に関しては、業務に従事する者5人に対して1人の割合で成年である専任の宅建士を置かなければなりません。
また、専任の宅建士に欠員が生じたときは、2週間以内に欠員補充等の対応をしなければなりません。

「独占業務」と「設置義務」を有する宅建士は、不動産業に必須な人材であることは言うまでもありません。

ただ、実務経験のない宅建士が転職に有利か?というと、そこには転職者の年齢の壁があります。

転職における年齢の壁とは

年齢の壁を年代別にイメージし表現します

20代(宅建資格が無くても大丈夫)

そもそも、実務において宅建資格は必須ではありません。
今後の成長が期待される20代であれば、宅建資格がなくても転職が可能なことでしょう。

30代(宅建資格を持っていた方がいい)

実務経験があれば、宅建資格がなくても即戦力とみなされ、転職が可能なことでしょう。宅建があればよりスムーズに転職が進むことでしょう。

40代(宅建資格有)

実務経験があれば転職は可能であり、そこに実績があればスムーズに転職が進むことでしょう。この年代であれば宅建資格を有することが求められるでしょう。

50代以降(宅建資格必須)

実務経験や実績があったとしても、転職は厳しいのが現状です。

実務経験のない中高年が宅建で転職を期待してはいけない

40代以降の中高年の転職であれば、不動産業界に限らず実務経験が重視され、企業は即戦力を求めることでしょう。

資格の取得が実務経験を上回る評価をする企業は少数と言えます。

それは宅建にも当てはまります。

ネガティブな意見を書きましたが、中高年において宅建を過剰評価してはいけない点を知って欲しかったからです。

ネット上には、資格ビジネスの記事が多く、資格をとれば転職に有利といったフレーズが横行しています。

特に宅建は、独占業務・設置義務のある国家資格で、取得すれば年齢を問わず転職できる可能性を秘めた記事を多く目にします。

ハローワークで宅建資格有で求人検索すると、多くの企業がヒットしますが、履歴書を送付しても年齢や実務経験で選別され、面接にすら至らないと聞きます。

そもそも不動産業界で働くのに宅建は必須ではありません。

転職先が決まり、もし宅建が必要なら取得すればいいのです。

実務経験のない中高年において、転職を期待しての宅建取得はやめた方がいいよう思えます。

誤解して欲しくないのは、あくまでも「転職を期待して」という点で、その他の目的で中高年が宅建を取得することを否定している訳ではありません。

宅建は意義ある資格であることは言うまでもありません。