アーリーリタイアとは?独身男48歳が5年間のリタイア生活でわかったこと

アーリーリタイア

アーリーリタイアとは

簡単に言えば、定年前に自らの意思や判断で会社を辞め、予め準備した資金をもとに働くことなく過ごすことです。

一足先の老後生活を実感することになります。

アーリーリタイアに至る経緯は人様々でしょう。

アーリーリタイアとは、一般に「後戻りのできない片道キップ」と言えます。

会社の規模が大きくなればなるほど、その傾向は強まることでしょう。

たとえ戻れたとしても、今と同じポストに就くことは希なことです。

会社を辞めることは、サラリーマンであれば安定した収入源を失います。

高齢になり万が一、準備した資金が底をつけば、僅かな年金生活を余儀なくされます。

大袈裟に言えば、アーリーリタイアとは「人生の岐路」であり、決断するには相当の覚悟がいります。

アーリーリタイアについて、当ブログでも様々な記事を書いてきました。

今回は、その集大成であり、見えにくいい本音の部分を晒そうと思います。

5年間という、長くもあり、短くもある期間の心境の変化をお伝えしたく思います。

アーリーリタイア★1年目

会社に行かない生活のスタート、目覚ましを気にせずに睡眠をとることは格別なものがあります。

私の場合、健康を取り戻す目的があった為、規則正しい生活を心掛ける必要がありました。

「しっかりと睡眠をとり、決まった時間に食事をする」
こんな簡単なことが、サラリーマン生活では疎かになっていたよう思えます。

特に食生活は、外食中心から自炊となり、野菜を意識的に食べるよう心掛けました。

睡眠時間の確保と食生活の改善で、サラリーマン時代に幾度も失敗したダイエットは、いとも簡単に実現しました。

15Kgの体重減は、血液検査の値にも貢献し、みるみる健康を取り戻すことを実感し、私のアーリーリタイアの目的は、たった1年で果たすこととなります。

逆を言えば、1年目でアーリーリタイアの大きな目標を失ってしまったのです。

目標を達成したことで、アーリーリタイアしたことに後悔はありませんが、今後のお金の不安が強まりました。

今後の生活における金銭面のシミュレーションを独自に行いましたが、不安は募るばかりです。

特に、年金や国民健康保険料、税金、資産運用等に関する部分は、ネットで調べ理解しても自信が持てず、自分が想定している費用以外に計上漏れがないか不安になります。

この不安が、FPを学ぶ大きな切っ掛けとなりました。

国家資格「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」

世間では、7割が合格する国家資格であり、実務には全く役立たないといった意見が多数ですが、自身の今後の生活における「お金の問題」を解消するには十分なものでした。

お金の不安が完全に払拭されたのか?

と聞かれれば答えは「NO」です。

実際に貰う年金の受給額や物価上昇等、不確定要素が多大にあります。

アーリーリタイアの1年目は、あっと言う間に過ぎ去って行きました。

アーリーリタイア★2年目

健康を取り戻し、アーリーリタイア目的を失った私は、「自分磨き」をしようと思い立ちました。

国家資格「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」やAFP(日本FP協会)を取得したのはその一環です。

受験はしませんでしたが、マンション管理士や宅建の勉強もするようになりました。

もう働く気がないのに・・・・なぜこんな行動をしたのか?

一つは、無職となり社会的な肩書を失い、例えば「ファイナンシャル・プランナー」という肩書が欲しかったのだと思います。

AFPを目指したのは、日本FP協会という組織に属したいという欲求の表れです。

もう一つは、今後の生活における金銭面の不安が少なからずある以上、いざとなれば働こうと思い始めました。

無職となり、社会において自分が「ちっぽけ」な存在だと痛感させられました。

50歳を前に、資格を取得したところで、何の意味があるのか?

そんなことを自問自答しながら、あくまでも「自分磨き」という観点で、「学び」を楽しむことにしました。

アーリーリタイア★3年目

50代に突入し気持ちの変化としては、「アーリーリタイアの期間」と「老後生活」を分離して考えるようになりました。

年金受給は、一般的に65歳からですが、希望すれば60歳(30%減額)から受給可能です。

年金を貰えば「老後生活」という認識です。

仮に、60歳で年金を貰うのであれば、アーリーリタイアの期間は10年となります。

アーリーリタイアの特別な時間は、10年~15年と思うことで気が楽になりました。

当初は、アーリーリタイア後の人生を老後生活と分離せず、仮に男性の平均寿命(約81歳)まで生きるとすると30年以上の期間があるものと考えていました。

分離することで、ファイナンシャル面の考え方も変わりました。

年金生活は、年金の範囲内で生活ができれば、老後資金は不要と考えることができます。

実際には、不要と言ってもある程度の資金は必要です。

当時は、「年金2000万円報告書」の問題が世に出ていませんでしたが、

簡単に言えば、老夫婦の年金が21万円(月額)で、平均的な支出26万円(月額)をすれば5万円(月額)不足します。

その不足分の5万円(月額)を補うために、およそ2000万円が必要ということです。

老夫婦が年金21万円で、支出を21万円以内に抑えれば、理屈的には2000万円もの老後資金は不要となります。

公的年金や企業年金、年金保険等、老後の備えは人それぞれです。

年金等の収入の範囲で生活できれば、老後資金の問題はある程度解消されます。

老後生活を見据えた家計の支出削減を徹底して行いました。

各種保険、携帯電話、インターネット回線、電力・・・・理髪店に至るまで、見直しを徹底しました。

また、光熱費の節約や、省エネも実践してみました。

老後において年金等の収入(見込額)の範囲で、生活ができる目途がつきました。

ただ、公的年金の額が2割~4割削減されると、生活状況は非常に厳しくなります。

そんなことを考えながら過ごしていると、必然と生活が質素になっていきました。

アーリーリタイア★4年目

アーリーリタイアした当初は、車でドライブしたり、友人と飲みに行ったりと週二日程度の頻度で気分転換していましたが、この頃になると家から出るのは、食料品等の買い物を除けば、月に2~3回程度となりました。

人との繋がりを求め、ブログを書き始めるようになりました。

今まで、他人のアーリーリタイアには興味がありませんでしたが、ブログを始めてから多くの方の記事を読むようになりました。

様々な生き方がある事を知り、無職の自身の生活にも自信が持てるようになりました。

ブログを始めて興味を持ったのが、世の中への「発信力」です。

無料ブログでスタートしましたが、検索エンジンからの流入は、ほとんどありませんでした。

それでも、誰か一人でも記事が読まれることで、人や社会との繋がりを感じていました。

「寂しい」という感情はありませんが、人や社会との繋がりに喜びを見出せるようになりました。

アーリーリタイアした当初には、全くなかったものです。

アーリーリタイア★5年目

多くの人とブログを通じて触れ合おうと思い、独自ドメインでブログを作成しました。

それが、このブログです。

「Google」や「Yahoo」「Bing」等からの検索流入も増え、多くの方と繋がりを持てるようになりました。

ブログの記事を書き、年金問題や就職氷河期の就労支援、8050問題など様々な社会問題を学んだ気がします。

 

一体、自分は何をしているのだろう?

ふと気が付くと、健康にも関わらず一人質素な生活をしている自分がいました。

ブログは間接的な人と人との繋がりですが、もっと直接的な人との繋がりを持ちたく思い始めました。

「働くこと」は、社会生活の繋がりを築く一つの方法だと考えるようになりました。

「お金の為」「生活の為」に働くのは、現実問題としてありますが、働く意義はそれだけでないことに気付いたのです。

私にとって、

アーリーリタイアとは、

「働くことの本質的な意義を教えられた時間」

と言えます。