非正規公務員になったのは自己責任?処遇改善の声に否定的意見も

独り言

NHKでは、非正規公務員の実態調査が行われています。

以前にも記事にしましたが、

「これ以上、わたし頑張れません」もその一つです。

非正規公務員の待遇に対し改善を訴える声もありますが、改善を求める声に否定的な意見もあります。

否定的な意見を象徴する言葉が「自己責任」です。

「契約は契約、臨時は臨時でしかありません。誰でもなれる広い玄関から入っておきながら、狭い道をくぐってきた正規職員並みの待遇を求めるほうが間違っています。もし公務員にしかできない仕事がしたかったのなら、そういった資格を取ったなら、なぜ若いうちに公務員試験を受けなかったのか。民間企業で正社員の口を探すべきです。全て自分の責任です」(投稿の一部を抜粋)

出典:NHK NEWSWEB 仕事が不安定なのは“自己責任”ですか

 

「自己責任」とは非常に重たい言葉です。

人生、全て「自己責任」と言えばそれまでなのでしょう。

例えば、
「オレオレ詐欺」で高齢者が詐欺被害にあうのは自己責任なのかもしれません。
「かんぽ生命の不正販売」で高齢者が不利益な契約を結んでしまうのも、ある意味自己責任と言えるのかもしれません。

ただ、これらのケースに「自己責任」という言葉を用いることはありません。

何故なのでしょう?

判断能力等衰えた高齢者は、ある意味弱者の立場にあります。

弱者の立場上、自己責任を問うのは酷だからだと思われます。

 

非正規公務員の方は、自己責任という言葉をどう受け止めているのでしょう?

「その人の“自己責任”と片付けてしまうのは簡単だと思います。誰もが本当はこうしたい、でもできないという何かしらの“負い目”があるわけですから。私の場合は、育児中で夫や家族に保育園の送迎を頼むことができないため、正職員に求められる早番や遅番ができないという事情があります。ただ、育児や介護の事情を抱えた人も仕事で責任を果たしていることは同じで、そこで事情を理由に優劣をつけ始めたらキリがないですよね。“自己責任”という言葉を強く言えば言うほど、経済的・健康的に弱い立場になった時に我慢をするのが当たり前という“差別の意識”を迫られるという印象を受けます。“自己責任”と言うことはいつか自分自身にかえってくる言葉だと思います」(アヤさん)

出典:NHK NEWSWEB 仕事が不安定なのは“自己責任”ですか

 

非正規公務員の立場は、ある意味「弱者」と言えるでしょう。

民間の非正規社員も同様かと思われます。

背景には、就職氷河期の就職難や、妊娠・出産すると仕事を続けることが困難といった、個人ではどうしようもない課題もあります。

非正規公務員の労働格差問題は、「自己責任」と一言で片付けられる問題でないものと思われます。