兵庫県知事の「諸悪の根源」発言
兵庫県の井戸知事が、新型コロナウイルスの感染者が急増する東京都を「諸悪の根源」と発言し、ツイッターでは「#兵庫県知事に抗議します」のハッシュタグを掲げた批判が相次ぎ、「諸悪の根源」がトレンド入りしました。
井戸氏はコロナ対策会議の冒頭、東京都が「諸悪の根源」と発言しましたが、その直後「諸悪は取り消す。感染源は東京が多い」と修正しています。
「諸悪の根源」は不用意に出た失言ではなく、意図して発言したものです。
失言であれば「取り消す」のも理解できますが、意図して発言した本音や本心を「取り消す」と言われても困りものです。
「対応をしっかりしてほしいと意図して申し上げた。東京に抑え込んでいただかないと全国に波及してしまう」
と説明しており、「諸悪の根源」が知事の本音や本心であることが伺えます。
菅官房長官の「東京問題」発言
国立施設「ウポポイ」視察の同日、千歳市で行われた講演での発言です。
13日午前の会見で菅官房長官は、新型コロナウイルスの感染拡大の中「緊急事態宣言を発出する状況ではない」と繰り返し述べました。
「GoToキャンペーン」についても、感染防止に注意し社会経済活動に取組むことが大切だとし、キャンペーン活用を国民に促しました。
「観光業種でのガイドラインを作成しており、感染防止対策を講じてもらうことになっている。観光者には3密を回避しつつ感染防止に注意してもらい、このキャンペーンを活用してもらいたい。そうしたことで、キャンペーンを適切に運用していきたい」
小池都知事の反論
小池都知事は13日、「圧倒的に東京問題と言っても過言ではない」との菅氏の発言に対し、
と指摘しました。
これは西村経済再生担当大臣が、7月12日の会見で、
「のどや嗅覚・味覚への違和感があり、だるいなどという方は、そもそも外出をせず、当然、県をまたぐ移動は控えてもらいたい。航空、鉄道、バスなどは、消毒や換気を行い、人と人との距離を取ることを徹底してもらうとともに、ホテルなどでも、旅行者に検温をし、体調を聞き、違和感がある人には、その地域で検査をしてもらいたい」
と述べ、今月22日から始まる政府の消費喚起策「Go Toキャンペーン」に際し、旅行者と事業者双方に、感染防止策を徹底するよう呼びかけました。
西村大臣の呼びかけには、無症状の人への対策が全くもってありません。
小池都知事は、
「GoToキャンペーンとの整合性をどうとっていくのか、無症状の方も出ているなかでどう仕切りをつけていくのかはむしろ国の問題」
と反論を述べています。
他人GoToの政府対応
東京都が感染拡大の中、「Go Toキャンペーン」は余りにも無責任な施策に思われます。
多額な税金を使い、コロナウィルスを全国にまき散らすようにも思われます。
そもそも具合が悪ければ、旅行など行きません。
東京都が指摘する通り、無症状だからこそ対策が難しいのでしょう。
感染拡大で現場対応に迫られる東京都、
他県からの批判はまだしも、連携すべき政府が現場を理解せず、無責任な「Go Toキャンペーン」をこの時期に促すのは余りにも他人事のように思われます。