ねんきん定期便に会社負担分が記載されていない
ねんきん定期便には、年金への加入状況や現時点での支払い状況、このまま変更なく支払いが続けた場合の年金額が記載されています。
毎年、誕生月に届くハガキですね。
35歳、45歳、59歳の時は、年金の節目の年として封書で届きます。
厚生年金は「労使折半」と言われ、対象の個人と会社が折半して支払われているのは、ご存知のことかと思われます。
昨今、
「ねんきん定期便に会社負担分が記載されていない」
と話題になっています。
・会社負担分がなかったことにされている。
・半分少ない額で年金額が算定されている。
・年金はお得ですよアピール?
等、様々な意見が散見されます。
日本年金機構のHPにあるQ&Aでは、
Q:表示されている厚生年金保険の保険料には、事業主負担分も含まれているのですか。
A;「ねんきん定期便」の保険料納付額には、被保険者(ご本人)負担分の保険料の額を表示しており、事業主負担分は含まれておりません。
これは、毎月の給与から控除されている厚生年金保険料の額をご本人に確認していただくためです。
なお、厚生年金保険料については、被保険者(ご本人)と事業主で折半することとされており、被保険者(ご本人)負担分のほか、事業主も別途、同額を負担しています。(これらは、厚生年金保険給付や、被用者も含めて給付される基礎年金の原資に充てられています。)
つまり、事業主負担分は記載していないが、基礎年金の原資に充てられていると説明しています。
定期便に記載される年金額は、労働者自身が負担する分を元に計算されています。
事業主負担分はどこにいったのでしょうか?
年金定期便に記載して欲しいものです。
SNS上では、
「みなさんの賃金から勝手に没収されている『会社負担分』の厚生年金は個人も会社ももらえません。 まさに消えた年金」との 投稿 が拡散されています。
労使折半という言葉に騙されている
労使折半と聞けば、
「事業主が負担してくれている」
「企業が社会保険料の半分を負担しているから、個人はお得」
等といったイメージを浮かべるかもしれません。
厚生年金の他、健康保険、介護保険(40歳以上)が、労使折半で負担されています。
経営者なら従業員の給与について、予算から社会保険料の会社負担分を差し引いて考えるのが当然です。
会社負担としての社会保険料は、実際には会社負担ではなく、人件費(法定福利費)の一部とみなされ、会社は給与に転嫁されているのが実情でしょう。
簡単に言えば、社会保険の会社負担分を、予め労働者の給与から差引いていると言えます。
会社において、経営者自身がお金を稼げば別ですが、実際にお金を稼いでいるのは労働者です。
労使折半とは言え、会社負担(事業主負担)は、実質的には労働者が負担しているよう思われます。