生活のダウンサイジングとは
この言葉を聞くと、多くの人が「節約」や「物を減らすこと」を思い浮かべるのではないでしょうか。
特に、早期退職や老後生活を見据えるとき、家計支出の見直しは避けて通れないテーマです。
しかし、本当に必要なのは「どこまで支出を減らすか」ではなく、「何にいくら使えば生きていけるか」という問いを立てることです。
家計支出をゼロベースから考えることで、ダウンサイジングの本質を知ることができるよう思われます。
生きるために必要な家計支出とは

まずは衣食住から考えてみましょう。
ここでの衣は、体温調節と解釈し、被服費ではなく水道光熱費とします。
ゼロベースで考えるのであれば、まずは「どこに住むか?」ということが重要です。
住居費は家計支出において大きな影響を与えるのは言うまでもありません。
持ち家、賃貸、マンション、戸建て等選択肢は様々であり、住む場所によっても支出は大きく異なってきます。
住居費は、今後の生活を考える上で肝となる重要な支出です。
住む場所が決まれば、必然と光熱費も決まってきます。
住む場所の気候や家の設備によって、光熱費は決まるといっても過言ではありません。
食費は言うまでもなく、生きる支出と理解することができるでしょう。
現代において、生きるための家計支出は衣食住に留まりません。
その筆頭が通信費といえます。
最低限スマホは必需品と言えます。
現状において持病があれば、医療費が必要となります。
更に無職無収入であっても、社会保険料等が掛かります。
まずは自身の支出状況を知ることが重要と言えます。
これはサラリーマンにはない感覚かと思われます。
毎月の給料の中でやり繰りできれば、生活は成り立っていました。
「赤字にならなければいい」
その考えを捨てることから、生活のダウンサイジングは始まります。
生きることの根本を見直す
生活のダウンサイジングとは、支出を切り詰める作業ではなく、生きるための根本を再設計する営みです。
家計をゼロベースで捉え直すことは、自分らしく生きるための第一歩かもしれません。
「赤字にならなければいい」
生活に見合った収入が生きる限りあるのであれば、ある程度の老後資金があれば問題はないよう思えます。
FPの立場で言えば、
「老後いくらあれば安心ですか?夫婦で2000万あれば安心ですか?」
この質問は愚問です。
なぜなら、FPはあなたの収入も支出も知らないからです。
FPに相談するにしても、収入と支出の把握は必要となります。
貯蓄が相当額あれば別ですが、多くのサラリーマンが現役世代と同じ生活レベルを維持するのが困難でしょう。
多くのサラリーマンが赤字になるのです。
だからこそ、「生活のダウンサイジング」という言葉が、一般的な言葉として私たちの周囲で認識され始めているのかもしれません。

