化石賞の日本が東京五輪の聖火台に水素を採用!本当に大丈夫?世界のトヨタの技術に期待

独り言

2020年東京オリンピックの聖火台の燃料に、次世代エネルギーである「水素」の採用が明らかになりました。

水素は、中学生の理科の実験でも登場し、試験管に集められた水素にマッチの炎を近づけると「ポン」と鳴る気体です。

思い出しましたか?

実験での水素の作り方は、試験管に金属片とうすい塩酸を入れると発生し、「水上置換」で集めます。

又、同じく中学で「水の電気分解」においても「水素」について習う機会があります。

水素は、中学でも習う割とポピュラーな気体と言えるでしょう。

水の電気分解から分かる通り、水素は地球上に無尽蔵に存在します。

しかしながら、

水素単体としては地球上の自然界には存在しません。

何故でしょう?

水素は、ガスの中でも比重が最も軽く、地球上ではどんどん上昇し宇宙空間まで達します。

その為、単体として自然界に留まることができません。

単位重量当たりの発熱量はガソリンの約2.7倍、燃焼しても二酸化炭素や大気汚染物質を全く発生せず(燃焼すれば水が発生)、究極のクリーンエネルギーと言えます。

先日、不名誉な化石賞を受賞した日本にとって、全世界が注目するオリンピックで、聖火台に水素を採用するのは、名誉挽回の場と言えるかもしれません。

水素を燃料とする聖火台の開発は、トヨタ自動車が担います。

トヨタは2014年、「MIRAI(ミライ)」と言う水素を燃料とした燃料電池自動車を生み出した実績があります。

水素に関する燃焼技術は、「世界一」と言っても過言ではありません。

しかしながら、「聖火台」となれば別次元の話となるでしょう。

何よりも「聖火」とは「見せる炎」です。

大気中で燃焼する「炎の姿」が肝心要です。

水素を燃焼させ「めらめら」とした揺らぐ炎は想像がつきません。

水素は、常温において無色・無味・無臭の気体です

一般に水素の火炎は無色で、着火しても見えにくい特性があります。

他の特性としては、

・分子量が小さく漏れやすく燃焼範囲が非常に広い。又着火エネルギーが小さい。
(爆発リスクが高い)

・着燃焼速度が速く火炎温度も高い。
(聖火台として百発百中の点火確率が求められ、又オリンピック期間中は継続した燃焼が必要となりバーナー等の耐久性の問題がある)

水素を取り扱う以上、他の燃料以上に万全の保安体制が必要となります。

聖火台としては、実に不向きな燃料と言えます。

日本は石炭火力発電で「化石賞」を受賞しています。

無難なところで「天然ガス」を使っても、国際非難は避けられることでしょう。

水素を採用した場合、「夢の大橋」の聖火台は、費用がかかる充填方式となり、開閉会式用の聖火台とあわせると数十億円規模と、予算規模が膨らむことから検討が続いていました。

政府や東京都、組織委員会とともに、開発を担当してきたトヨタ自動車も費用を負担する方向です。

世界のトヨタとしての意気込みが感じられます。

トヨタ自動車が開発する聖火台、どんな炎が灯されるのか期待が高まります。