2019年11月18日
いわゆる「就職氷河期世代」を対象に兵庫県宝塚市が募集し、正規職員への採用が内定した4人のうち2人は無職であることを市が明らかにしました。宝塚市長は「苦労した経験を生かして市民に寄り添う行政マンになってもらいたい」と期待を示しました。
宝塚市では、就職が特に厳しかった30代半ばから40代半ばの「就職氷河期世代」を対象に正規職員の募集を行い、1600人余りの応募者の中から、筆記試験と面接の選考をへて4人の採用を内定しました。
宝塚市は18日の市長の定例会見で、4人は40歳から45歳の男性と女性2人ずつで、このうち正規雇用は1人だけで1人は非正規雇用、2人は無職であることを明らかにしました。
中川智子市長は「努力しても安定した仕事に就くことができないという、苦労した経験を生かして市民に寄り添う優しい行政マンになってもらいたい」と期待を示しました。
そのうえで「ほかの自治体や企業にも就職氷河期世代への支援が広がっていくことが大切で、今後も働きかけていきたい」と話しました。
4人は来年1月1日付けで採用されることになっていて、宝塚市では適性を踏まえて配属部署を決めたいとしています。
出典:NHK NEWSWEB 宝塚市 採用内定の「就職氷河期世代」4人のうち2人は無職
就職氷河期世代を対象とした兵庫県宝塚市の正規職員採用、過去の報道では、募集3名程に対し1,800名以上の応募があり、倍率600倍以上の狭き門との報道がありました。
報道を見て応募を辞退された方もいることでしょう。
今回の報道から1,600名余りの応募に対し4名の採用となれば倍率は400倍となり、それでも狭き門には変わりありません。
単に、このフレーズなく市の職員を募集していれば、ここまでの過熱ぶりは見せなかったことでしょう。
企業の求人には、年齢制限を設けることは禁じられています。
今年の9月、厚生労働省はハローワークに限り、就職氷河期世代に限定した求人を認め、求人票の対象の年齢を「35歳~54歳まで」と記載することができます。
政府は、来年度より全国63カ所のハローワークに「専門支援窓口」を設置する方針です。
窓口では担当者がチームを組み、職業訓練のあっせんや就職できる可能性の高い求人の紹介、生活設計の相談等にあたり、就職から職場の定着までを一貫して支援します。
宝塚市は、一早く就職氷河期支援を独自に行ったことで注目されていました。
「ほかの自治体や企業にも就職氷河期世代への支援が広がっていくことが大切で、今後も働きかけていきたい」
この発言は少し偽善的に感じられます。
今や、市町村で働く職員の3人に1人は非正規公務員で、就職氷河期世代の方も数多くいることでしょう。
非正規公務員は、来年度から始まる新制度に悲鳴を上げています。
今、自治体に就労する非正規公務員の方から救済するべきではないでしょうか。
「就職氷河期」のある意味「被害者」は身近にもいます。