【大和ハウス工業】実務経験を偽った「施工管理技士」が約350名!内部通報で発覚

独り言

2019年12月18日

大手住宅メーカーの「大和ハウス工業」は工事現場の責任者などに必要な国家資格を取得した社員のうち、およそ350人が試験を受けるための実務経験の条件を満たしていなかったことを明らかにしました。

大和ハウス工業によりますと、工事現場の責任者などに必要な「施工管理技士」という国家資格を取得した社員4143人のうち、349人は実務経験の年数が足りないなど、試験を受けるための条件を満たしていなかったということです。

このうち6人は太陽光発電所の建設現場など16か所で工事の責任者を務めていたということです。

受験に必要な実務経験の証明書には会社の印鑑が押されていて、会社は数え方や確認の方法が不十分だったとしています。

これを受け国土交通省は349人に対し合格を取り消したうえで、3年間は受験を禁じる措置を出しました。

こうした不適切な資格の取得は1988年度から30年余り続いていたということで、会社は社長を含めた役員に対して減給の処分を行うとともに、現場の工事に問題がなかったか調査を実施することにしています。

大和ハウス工業は「関係者の皆様に心から深くおわびします。実務経験などを調べるシステムを導入して再発防止を徹底したい」としています。

出典:NHK NEWSWEB 大和ハウス工業 社員約350人が実務経験満たさず国家資格取得

国家資格の場合、実務経験を要件とする資格が数多く存在します。

特に今回の施工管理技士は、7種の工事種類があり、それぞれの実務経験が必要なことから実務経験の重複を招く恐れがあります。

・建築施工管理技士(1・2級)
・土木施工管理技士(1・2級)
・電気工事施工管理技士(1・2級)
・管工事施工管理技士(1・2級)
・造園施工管理技士(1・2級)
・建設機械施工技士(1・2級)
・電気通信工事施工管理技士(1・2級)

約350人もの不適切な資格取得がありながら、

現場の技術者として実際に配置されたのは6人、16現場は少なく感じます。

それは大和ハウス工業が「元請け企業」であるためと思われます。

実際に工事を行うのは「下請け企業」であり、下請けの資格取得者が工事の管理等を行います。

元請けとして、社員のスキルアップという面で、資格取得を推奨していた面が伺えます。

実際の資格の使用は別にして、

「大和ハウス工業の社員であれば資格は持ってあたり前」

といった社内風土があったものと思われます。

この報道で見えなかった部分は、なぜ実務経験の不備が発覚に至ったかです。

実務経験については、「実務経験証明書」に会社の押印があれば外部からの指摘は困難です。

なぜなら、実務経験は本人又は会社関係者しか把握ができないからです。(明らかに年数が満たない等の不備があれば別ですが)

大和ハウス工業の公式サイトで確認することができました。

「施工管理技士の技術検定試験における実務経験の不備について」

発覚の理由は、やはり「内部通報」でした。