空家となった実家に住むことで実現したアーリーリタイア!住むところがあれば何とかなる?

アーリーリタイア

空家となった実家

自身が48歳の時、今から10年前にアーリーリタイアする決め手となったのが、両親が亡くなり空家となった実家の存在でした。

市内中心部から車で40分程離れた住宅街に位置する実家は、築24年(当時)の一戸建てです。

空家となった実家を1年程放置したのですが、意外にも手間や維持費が掛かります。

お金は掛かるのは承知していましたが、住宅街にある一戸建ては意外な手間が掛かります。

「家に何かあれば、息子に言って下さい」

親が亡くなる前に、仲の良かった向いの住人に、自身の電話番号を教えていたこともあり、突然の連絡がありました。

1年間の空家放置で起こったこと

たった1年の放置ですが、突然の思わぬ連絡がありました。

夏場は、

「郵便物やチラシが玄関フード内に散乱している」

「庭の木の枝が歩道までのび歩行者が迷惑している」

「玄関前の蛇口の接続部から水が漏れている」

「子供に網戸が破られている」

冬場は、

「屋根からの雪庇で歩行者が危険、屋根の雪を降ろして欲しい」

「大雪の際は、除雪に来て欲しい」

向いの住人はとても親切な方で、フードの鍵を渡すと郵便物やチラシを整理してくれたり、切断できる枝は切って対応してくれる等、一時的な処置は行ってくれました。

「空家だと治安が悪くなる」

子どもが網戸を破ったように、灯油タンク内の油を盗む、エアコンの室外機を盗む、更には放火等、思わぬ犯罪の温床になることから、向いの住人は空家に見えないよう配慮してくれました。

ただ、それには限界があり処置に困ると連絡をくれました。

その後、実家に住むことになり、水抜きをしていたのですが水道配管や浴室のカランが冬場の凍結で破裂し、又赤水も発生していたので水道配管を一部入れ替えました。

人の住まない家は風通しが悪く、壁紙が剥がれたり、黒カビが発生したり、蟻等の小さな虫の温床ともなっていました。

実家に住み10年が経ちますが、住むことにより全て改善されました。

実家の維持費について

維持費に関しても、固定資産税が毎年掛かります。(私の実家はおよそ4万円)

又、空家だと特定されれば固定資産税は6倍になると知ります。

家の解体も検討しましたが、概算見積もりで200万円程と言われ、更地になれば固定資産税が6倍になるとも聞きました。

200万円払って、更に実質月々2万円の負担は大きな出費です。

実家を「貸す」とか「売る」とか検討しましたが、自身は住むことにしました。

当時、会社から徒歩圏内の賃貸マンションに一人暮らしをしていましたが、家賃と駐車場で約10万円/月掛かっていました。

住居費は年間で約120万円、実家に住むことで年間4万円となり、家賃で考えれば、およそ3,400円/月となります。

仮に48歳から生涯実家に住むと考えれば、平均寿命の81歳までの住居費の差額は、33年間で3,828万円となります。

一戸建ての場合、家自体のメンテナンスや設備更新等の費用が掛かりますが、その費用を仮に800万円程と考えても、実家に住む金銭的なメリットは3,000万円程となります。

魅力を感じなかった実家のいい点を探してみる

両親が自分たちの老後も考えて建てた実家を改めて見てみると、安全で住み心地のよい環境にありました。

・第1種低層住居専用地域で閑静な住宅街

・1981年以降の建物で耐震基準を満たしている

・バス停から徒歩2分

・徒歩圏内に大型スーパーがある

・徒歩圏内にATMのあるコンビニがある

・床屋や歯科、病院等が近くにある

・ハザードマップで水害等の心配がない

・土地の液状化の心配がない

大きな問題点は、徒歩圏内で「熊」が出没した点です。

それだけ、自然に近い環境とも言えます。

通勤に1時間程掛かる利便性の悪い実家のメリット等、微塵も感じたことはありませんでした。

両親と同居していた時期もありましたが、利便性の悪さから一人暮らしを始めた身です。

老後生活における利便性を考慮し、恵まれた環境であることに気づくことも重要なのかも知れません。

住むところがあれば何とかなる

当時はFPを学んでいなかったので、生活基盤である衣食住の「住」が、月3000~4000円の家賃であれば生活できると安易に考え、アーリーリタイアを決断しました。

その考えは、今となっても然程間違っていなかったよう感じられます。

これからの老後生活を考えれば、実家を手放さなくて良かったと心底思っています。

生涯、実家に住むと言いましたが北海道の場合、戸建てだと何よりも「雪かき」が心配です。
除排雪を業者に頼んでいますが、それでも雪かきは大変です。

何よりも健康でいることが、実家に住む第一の条件なのかもしれません。