「就活アウトロー採用」とは?
就活アウトロー採用とは、新卒者の一般的な就活とは異なり、学生は大学名、面接官は企業名を伏せ、両社が肩書に捉われない形式で面接が行われ採用に至る就活スタイルを言います。
服装も自由で、リラックスした雰囲気の中、通常の面接ではあまり質問されない哲学的なテーマ等について話し合います。
「人生の価値観」等、個々の思いや考えを話し合うことで、企業側は個性的な人材発掘を期待しています。
NPO法人が6年程前から始めた「就活アウトロー採用」、参加者は年々増加傾向になっています。
マッチングアプリのような「就活アウトロー採用」、第2新卒や20代のニート等でも実施され、若い世代では知られた就活スタイルのようです。
新卒者には不向きかも?
新卒者は今や売手市場です。
企業の採用面接が解禁となり1ヵ月程ですが、8割の学生が内定していると言われています。
新卒者でも、何度も落とされる方にとっては「救いの舟」かも知れません。
就職氷河期なら新卒者でも「就活アウトロー採用」は、魅力あるものと感じられます。
ただ、新卒者が売手市場の今、就職先を選べる新卒者にとっては、「就活アウトロー採用」は魅力ある就活スタイルではないのかもしれません。
期待される「就活アウトロー採用」の活用法
就職氷河期世代の集中支援
2019年4月、安倍首相は経済財政諮問会議の場で、バブル崩壊後の「就職氷河期」に非正規社員やフリーター等として働く人を対象に、就職支援を強化するよう関係閣僚に指示しています。
具体策の中で、「専門ハローワーク」の設置等が考えられています。
専門ハローワークを仲介するよりも、ダイレクト感のある「就活アウトロー採用」の方が、優れた方法かと思われます。
リクルートスーツに身を包むこともなく、自分を偽ることなくフランクな関係での面接で採用が決まるのであれば、身構えや時間・手間といった面で利点があります。
都道府県や市町村が主体となり、「就活アウトロー採用」を試みてはいかがでしょう。
「8050問題」解決への期待
引きこもりやニート等、たとえ働く気があっても、現実問題として企業に採用されることを完全に諦めていることと思われます。
もし「就活アウトロー採用」が、過去の職歴等に捉われず、仕事に対する意欲や現時点における自分の考え等で採用を決めるものであれば、「就活アウトロー採用」は「8050問題」の救世主的な存在となることでしょう。
ただ引きこもりやニート等、いきなり週5日の出勤は厳しいものと思われます。
フルタイムでなくても、アルバイトやパート的な採用を経て、徐々に社会復帰を目指す方策が必要かと思われます。
60歳以降の再就職先の選択肢を増やす
「65歳定年」と言うものの、65歳まで社員として働ける企業は少なく、60歳で一度定年し嘱託等の立場で再就職するケースが多い現状です。
場合によっては給与も半減し、与えられる仕事が合っていれば問題ありませんが、合わなければ我慢して働くか辞めるしかありません。
60歳定年後の同じ会社への再就職は、仕事の選択肢がないと言っていいでしょう。
安い賃金なので、今までいた会社に拘る必要がありません。
再就職先に選択肢ができれば、自分に合った仕事を選ぶことができます。
就活アウトロー採用は、やる気のある高齢者の救いとなることでしょう。
最後に
高く聳え立っていた就活の壁を低くすることは、今までにない試みであり評価できるものと思われます。
ある意味、覆面をした企業とマッチングするため、問題や課題があるのかもしれません。
しかしながら、就活の壁が低いのであれば何度でもチャンスがあります。
40代~60代の中高年における再就職の壁が低くなれば、リストラを恐れない時代が来るかもしれません。