2020年6月5日
トラブルが相次いでいる、現金10万円の一律給付のオンライン申請について、高市総務大臣は、自治体によって給付までの事務処理に差が出ているものの、郵送での申請より給付を早く開始できるなどのメリットがあったと強調しました。
現金10万円の一律給付のオンライン申請をめぐっては、申請内容の確認に時間がかかるなどとして、5日までに54の自治体がオンラインでの申請の受け付けをやめています。
これに関連して、高市総務大臣は閣議のあと記者団に対し、「オンライン申請は郵送での申請より早く受け付けを開始できることから導入した。自治体によって給付までの事務処理の状況が異なっているが、受け付けた申請件数の9割で給付を終えている自治体もある」と述べました。
そのうえで、高市大臣は「例えば5月21日の時点では、オンライン申請に対する給付が999の自治体で開始されていて、郵送申請のおよそ2倍となっていた」と述べ、郵送での申請より給付を早く開始できるなどのメリットがあったと強調しました。
出典:NHK NEWSWEB 10万円給付のオンライン申請 トラブル相次ぐもメリット 総務相
現金10万円の一律給付、給付を国民に届けるのは市区町村の「自治体」です。
市が792、特別区が23、町が743、村が183で合計1,741あります。(2018年10月1日時点)
自治体と一言でいっても規模が異なります。
人口が数百~数千人単位の町や村もあれば、横浜市や大阪市、名古屋市など200万人を超える自治体も存在します。
数百、数千人の町や村であれば、大臣の言うとおり、オンライン申請での給付をうまく行った自治体もあるでしょう。
今回のオンライン申請における最大の問題点は、
ことでしょう。
テレビでは、自治体職員が2名1組になって、データの読み合わせをするシーンが報道されています。
数百、数千人の照合であれば容易かもしれませんが、数十万~100万人規模の照合は大変な労力です。
多くの自治体の職員は、過剰給付や2重給付など、給付が公正に行われるよう努力しています。
「郵送での申請より給付を早く開始できるなどのメリットがあった」
この言葉は、多くの自治体に言えることなのでしょうか?
通常であれば、オンライン申請は、郵送申請よりも早く処理できるのは「あたり前」のことです。
そんなことをメリットとして強調するのはナンセンスです。
6月5日までにオンライン申請をやめた自治体は54市区町村あります。
高市総務大臣は
「5月21日の時点では、オンライン申請に対する給付が999の自治体で開始されていて、郵送申請のおよそ2倍となっていた」と誇らしげに述べています。
今現在、少なくとも945(999-54)の自治体が、問題のあるオンライン申請での処理に苦労していることでしょう。
少しは、自治体の身になった発言ができないのでしょうか?
自治体には、「まだ10万円が給付されない」などのクレームも入っていることでしょう。
政府の失態を、自治体が代わって国民対応しています。
総務大臣として、オンライン申請の失敗を認めたくないのであれば、せめて自治体への労いの言葉だけでも掛けて欲しいものです。