【嘱託殺人】ALS患者の依頼で薬物投与!SNSで知り合った二人の医師の気になる動機

独り言

2020年7月23日

全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALSの女性患者の依頼を受け、京都市の自宅に出向いて薬物を投与し、殺害した疑いがあるとして、警察が宮城県と東京の医師2人を嘱託殺人の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。女性は周囲に「安楽死させてほしい」と話していたということで、警察は医師との関わりやいきさつなどを調べることにしています。

逮捕されたのは、いずれも医師で宮城県名取市で開業している大久保愉一容疑者(42)と東京 港区に住む山本直樹容疑者(43)の2人です。

捜査関係者によりますと、去年11月、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症を患った51歳の女性が、京都市の自宅で容体が急変し、搬送先の病院で死亡しました。

病院で詳しく調べた結果、体内からふだん服用していない薬物が見つかったということです。

女性は周囲に「安楽死させてほしい」と話していて、警察が捜査を進めた結果、当日、自宅に、主治医ではない大久保医師と山本医師が訪れていたことが防犯カメラの映像などから分かったということです。

警察は2人が女性の依頼を受け、自宅で薬物を投与し殺害した疑いがあるとして、23日嘱託殺人の疑いで逮捕し、これまでの関わりやいきさつなどを調べることにしています。

医師が患者の死期を早める行為をめぐっては、末期がんなどの患者に薬物を投与し、有罪となったケースはありましたが、死期が迫っていない難病の患者の依頼に基づいて主治医でない医師が殺害したとして逮捕されるのは極めて異例です。

出典:NHK NEWSWEB ALS患者の依頼受け薬物投与 殺害か 嘱託殺人容疑で医師2人逮捕

嘱託殺人とは、被害者の依頼や同意により殺害する行為です。

殺人は「死刑または無期若しくは5年以上の懲役」に対し、嘱託殺人は「6ヶ月以上7年以下の懲役または禁錮」となり刑は一般の殺人に比べ軽減されます。

「殺してくれという依頼がその人の真意かどうか?」

そこが問われることになります。

嘱託殺人の典型は「老老介護」でしょう。

加害者は長年に渡る介護の苦しみから逃れたく、単に殺してしまえば「殺人」となり、被害者が「殺して欲しい」という真意のもと殺害すれば「嘱託殺人」となります。

「依頼が真意かどうか?」

被害者の当時の精神状態を正確に理解するのは難しく、判断は難しいものです。

ただ、依頼があれなかれ、殺害の動機は理解しやすいものです。

 

女性患者は京都市の方で、主治医でない2名の医師は、宮城県で開業される医師と東京港区在住の医師と報道されています。

地域が異なる三者の繋がりが気になるところですが、別の報道では二人の医師はSNSを通じて知り合ったとの報道があります。

また女性は一人暮らしで、看護が24時間必要な状態だったとも報じられています。

40代の二人の医師が殺害したとなれば、医師免許は剥奪されることでしょう。

職を失うリスクを負ってまで殺害した動機が気になるところです。

やはり金銭目的なのでしょうか?

 

【7月24日追記】

亡くなった女性患者と大久保医師とみられるアカウントとのツイッター上での詳しいやりとりです。

2人のやりとりが初めて確認できるのは、女性が亡くなるおよそ11か月前のおととし12月28日です。

女性の「来たるべき死の苦しみの恐怖と日々戦っています」などという投稿に対し、医師が「当事者でない外野がかきまわすので、それを封じる手立てが必要です」と返信しています。

去年1月3日には、安楽死を望む女性の投稿に対し、「作業はシンプルです。訴追されないならお手伝いしたいのですが。」と応えると、女性は「嬉しくて泣けてきました」と返信しています。

また去年8月25日には、死ぬための方法を考えているという女性の投稿に、医師が「強制的に助けられてしまうという悪条件と理解しています。コナンや金田一どころではない計画が必要」と、人気漫画になぞらえて入念な計画が必要だと伝えています。

その後も、安楽死に関するやりとりを重ね、女性が亡くなる3か月前の去年8月27日には、医師が「当院にうつりますか?自然な最期まで導きます」と投稿し、女性は「ありがとうございます。決意したらよろしくお願いします」と返していました。

最後にやりとりが確認できるのは事件3週間前の去年11月9日で、遺書の作り方について医師が「ガチでやるなら公証役場です。カネはかかるが来てくれます。代筆だとあとで揉めることも」と投稿しています。

出典:NHK NEWSWEB ALS患者 嘱託殺人事件 1年ほど前からSNSでやり取りか(抜粋)

SNSのやり取りをみると、単純な金銭目的等の問題ではないよう伺えます。

「来たるべき死の苦しみの恐怖と日々戦っています」

と切実な悩みを発信しています。

容疑者の医師は、その苦しみを十分理解しており、主治医等により

「強制的に助けられてしまうという悪条件と理解しています。」

と返信しています。

女性患者にとっては、唯一の理解者であり救いだったのかもしれません。

刻々と日々病状が悪化するのを、ただ命が尽きるまで過ごす苦しみは、健常者にはけして理解のできない苦悩の日々と思われます。

自らの意思で命を絶とうにも、身体が動かなければそれすら実現できません。

日本では安楽死は認められていませんが、海外では認められている国もあります。

患者の心にに寄り添った医師が、日本の法律で罰せられるのは何とも理不尽なように思われます。

 

この件について、立憲民主党の蓮舫参院議員が24日、自身のツイッターでコメントしました。

大久保容疑者が「高齢者は見るからにゾンビ」などとネットに仮名で投稿。

高齢者への医療は社会資源の無駄、寝たきり高齢者はどこかに棄てるべきと優生思想的な主張を繰り返し、安楽死法制化にたびたび言及していたことを報じた記事を貼り付けています。

「優生思想と安楽死。この事件の続報からは、とてもじゃないが『尊厳死』の議論を始めようとはならない」

とつぶやいています。

難病ALSの患者から依頼を受けて殺害したとして逮捕された医師が、事件前に患者から約130万円を受け取っていたことがわかった。

(ANNニュース)

容疑者の危険な思想と患者からの金銭授受、蓮舫氏が言う通り、この事件を機に「尊厳死」の議論とはならないものと思われます。