2019年11月21日
離婚後に子どもを育てる親が受け取る養育費を決める際に使う「算定表」を最高裁判所が更新し、来月公表します。現在の社会情勢に合わせて、条件によっては増額となるケースもあるとみられます。
離婚後の養育費の算定にあたっては、平成13年に東京と大阪の裁判官のグループが、迅速に決めるための算定表を作って公表し、裁判所などで活用されています。
現在の算定表では、例えば0歳から14歳までの子ども1人を育てる親が年収300万円で相手が年収500万円の場合、養育費は月に2万円から4万円といった具合に、子どもの人数と年齢、双方の年収から機械的に金額を導けます。
最高裁判所の司法研修所では、現在の算定表ができた当時とは社会情勢が変化していることから、更新することにし、去年7月から検討してきました。
新たな算定表は、家計の消費傾向など社会情勢の変化を考慮し、年収などの条件によっては増額となるケースもあるとみられます。
最高裁は新たな算定表を来月23日に公表する予定で、裁判所のホームページにも掲載することにしています。
出典:NHK NEWSWEB 離婚後の子どもの養育費の新たな「算定表」 最高裁が公表へ
子供がいれば離婚の際に問題となる「養育費」の問題。
各家庭の事情もあり、話し合いで決めるのは難しいことでしょう。
その目安として活用されているのが、子供の人数と年齢、双方の年収から機械的に金額が算出される「算定表」、言わば「早見表」が存在します。
養育費の算定表は、最高裁判所のホームページをたどると資料(PDF)として見つけることができます。
同資料には、養育費の他に「婚姻費用」についての算定表もあります。
「婚姻費用」とは、婚姻関係にありながら、例えば夫が別居中の妻に支払う費用を言います。
この金額も養育費と同様の方法で導くことができます。
NHKの報道では、平成13年(2001年)に東京と大阪の裁判官のグループが算定表を作ったとありますが、別の報道では、2003年に有志の裁判官らが法律雑誌に公表したものとの報道もあります。
どちらにしても、今から十数年前の資料であり、消費傾向や社会情勢は変化していることでしょう。
算定表が作成された頃、消費税は5%でしたが、今はご承知の通り10%と上昇しています。
デフレ景気の中、物価や税・社会保障費等、今よりも低水準にあったものと思われます。
社会情勢的には上昇傾向のように思われますが、養育と言った観点では「幼児教育・保育の無償化」「高校教育無償化」等、下降要因もあります。
果たして全体の傾向として、どのような結果になるか注目されます。
結婚した3組に1組は離婚する時代です。
最高裁判所が公表する養育費の新たな算定表、今後も末長く活用されることでしょう。