【就職氷河期限定求人】人手不足の企業に就職氷河期世代を斡旋するハローワーク

独り言

2019年12月15日

いわゆる「就職氷河期」世代の正規雇用を増やすため、厚生労働省がハローワークにかぎって、この世代に限定した求人を特例で認めたところ、2か月間で80人の就職が決まったことが分かりました。

「就職氷河期」世代はバブル崩壊後、新卒の就職が特に厳しかった時期に社会に出た30代半ばから40代半ばの人たちで、正社員を希望しながら非正規雇用で働いている人は50万人いるとみられています。

この世代の正規雇用を増やすため、厚生労働省がことし8月下旬からハローワークにかぎって、この世代に限定した求人を認めたところ、10月末までの2か月の間に1507人の求人があり、80人が正社員などとして就職が決まったということです。

就職先で最も多かったのは、建設業が21人で、次いで運輸業が16人、サービス業が10人などとなっています。

氷河期世代の正社員化に一定の効果がみられることから、厚生労働省は今後、この世代限定の求人を民間の職業紹介事業者でも認める方向で検討することにしています。

厚生労働省は「就職氷河期世代を積極的に採用する企業の動きが広がっているとみられ、引き続き支援を進めていきたい」と話しています。

出典:NHK NEWSWEB 就職氷河期世代限定の求人 2か月で80人が就職決定

就職氷河期世代の支援として、ハローワークに限り求人票に「35歳から54歳まで」と年齢制限の記載が認められています。

今年の8月から始まったこの制度、開始1ヵ月で377件の求人があり、10月末までの2ヵ月間で1507件の求人と順調に限定求人数は伸びています。

しかしながら、正社員として採用が決まったのは2ヵ月で80人、余り成果がないよう思われます。

先日、就職氷河期世代を対象とした兵庫県宝塚市の正規職員採用では、1,600名余りの応募し4名の採用が決まりました。

倍率は400倍の狭き門です。

端的に見れば、ハローワークも宝塚市も同じことをしています。

なぜ、ハローワークに就職氷河期世代が殺到しないのでしょうか?

就職氷河期世代にとってもハローワークの求人に魅力を感じないからでしょう。

そこには「求人の質的問題」があるものと思われます。

安倍首相は11月26日、就職氷河期世代への支援策を検討する新たな会議の場で、国家公務員の中途採用を取り組む考えを示しました。

宝塚市と同様、応募が殺到することが予想されます。

見方を変えれば、ハローワークは就職氷河期世代の支援をしているのではなく、人手不足の企業に就職氷河期世代を斡旋しているように映ります。