2019/11/8
かんぽ生命保険の不正販売問題で、日本郵便は7日、郵便局の年間の営業目標(ノルマ)の推進率が50%を超えた際の隠語として「赤道突破」と表現し、販売局員を慰労するパーティーを開いていたことを明らかにした。営業実績に応じて局員を階級付けする「かんぽマイスター制度」も設け、階級が低い局員には土日も含む就労時間外に研修などを受けさせていたという。
横山邦男社長が衆院総務委員会で社民党の吉川元氏の質問に答えた。不正販売の背景には局員への過剰な営業ノルマがあったことが判明しているが、「賞罰」とも呼べる制度や対応で局員に圧力をかけていた実態も浮き彫りとなった。
横山氏によると、営業目標の推進率が50%を超えた場合、「社員の士気高揚を目的とした意見交換会」として、日本郵便とかんぽ生命保険が共同で経費を支出し、パーティーを開催。保険の不適切な販売が報じられた直後の6月下旬も都内で開いたという。
マイスター制度は一部支社が2018年に導入し、営業実績に応じて局員を星1~5で階級付けしていた。横山氏は「社員が目指す姿を分かりやすくするため」と、育成目的の研修方法だったと説明した。
その上で、「土日出勤して営業に回れ」という指導が行われているのか尋ねた吉川氏に対し、「いろんなレベルの社員がいるので、時間外に指導、教育が行われているのは確かだ」と認めた。 (鶴加寿子、飯田崇雄)
「赤道突破」は、局の年間目標50%を超えた際に行われる慰労パーティで、他の企業でも「この類」の慰労会を実施するケースはあるでしょう。
パーティー自体に問題はありませんが、不正販売でのノルマ50%達成となれば話は変わります。
「赤道突破」という隠語にも、憤りを感じさせられます。
不正販売を助長させるパーティーとも言えます。
表向きは「社員の士気高揚を目的とした意見交換会」です。
パーティーの前段では意見交換会が行われ、成績不振の者は肩身の狭い思いをし、その後のパーティーでも不憫な時間を過ごしたことでしょう。
営業実績に応じた「かんぽマイスター制度」は、個人をランク付けすることで不正を更に助長させる結果になったことと思われます。
階級が低ければ、土日を含む就労時間外の研修を課せられ、不振の局員は追い込まれたことでしょう。
と横山社長は述べています。

郵便局員が目指す姿とは何なのでしょう?
このような個人のランク付けや、理不尽な研修が行われていることを容認していた社長自身、社員のあるべき姿を見失っているよう思えます。
民営化されても、公共性の高い仕事を担っていることに変わりはありません。
「バカ真面目」のイメージは、国から離れ民営化されても、従来と変わらぬサービスを提供する姿勢を示しているよう思えます。
民営化により「利益の追求」という課題が、郵政グループに与えられました。
経営陣は、そこにばかり焦点をあて企業の本来の姿を見失ったものと思われます。
ある意味「バカ真面目」なのかもしれません。