【かんぽ不正】今後問われる郵便局員の「生命保険募集人」としての責任

社会情勢

2019年7月31日

「郵政グループ3社社長会見」は、現時点での経営側の認識を知るものとなりました。

お客様本位の業務運営をこれまでも取り組んできたという経営陣ですが、その認識は法令違反22件という数万件から見れば極わずかな件数を知るだけのよう見られます。

テレビ朝日報道ステーションの田中氏の質問で、大分県の認知症の女性が23本の保険に加入していた事案について問われると、一般的な多数契約に関する説明に留まり、この事案は知らないよう見受けられました。

現場を知らずして、お客様本位の業務運営が可能なのでしょうか?

経営陣と現場との温度差が、一番の問題点と感じられます。

 

現場での個別的なお客様との問題は、経営陣には関係ないと思っているのでしょう。

その証拠に、かんぽ生命社長の言葉の中に、郵便局員の現場責任を問う文言がありました。

契約時の状況調査を行う旨の話です。

募集人が自らの都合を優先し、お客様のご意向にそわず不利益を生じさせた可能性がある事案については、ご契約時の状況に関する調査を徹底致します

募集人に対する調査にあたっては、かんぽ生命、日本郵便のコンプライアンス部門が連携し、グループをあげた体制を構築してまいります

ご契約時の状況に関する調査の結果、保険業法に違反する不適正な事象が発見された場合は、募集人業務の廃止など厳正に対処致します

また社内手続きに違反する事象が発見された場合も所要の対応を実施致します。

「生命保険募集人」の資格を有する郵便局員の責任を問うことで、経営側の責任を現場側へと転化するよう思えます。

「生命保険募集人」は歴然たる資格であり、試験に合格することで金融庁に登録されます。

保険業法300条には、募集人が禁止されている行為が列記されています。(詳細は略)

コンプライアンス(法令順守)の重要箇所であり、違反すると罰則があります。

違反内容にもよりますが、

1年以上の懲役、もしくは100万円以下の罰金、
登録取消、業務停止命令、業務改善命令等の行政処分の対象となります。

当然ながら保険募集人は、コンプライアンス(法令順守)についても学んでおり罰則規定も知っています。

募集人は、社会的に逃れられない責任があります。

郵便局員は、会社の経営方針(過剰なノルマ)と募集人の立場としてのコンプライアンスの狭間で悩まされたことでしょう。

しかしながら、保険業法及び社内手続きに違反する事象が発覚した際は、厳罰に処されることでしょう。

社内的に優秀と崇められた営業マンや、販売成績がよく出世された方もいることでしょう。

郵便局内での局所的な組織崩壊が始まろうとしています。