全国に蔓延する「8050問題」解決の糸口は早期「6030」でのFPによる対応か

8050問題

8050問題は全国に蔓延

2019.6.20

<親と同居する引きこもり中高年の問題は、都市部よりもむしろ地方部で深刻化している>

「8050問題」に社会的関心が高まっている。80代の老親と、引きこもりが長期化して50代の子が同居している世帯の問題だ。

出典:Livedoor NEWS

80代の老親と50代の子が同居している「8050問題」社会的関心高まる

記事では、都市よりも地方の深刻化に注目しています。

白色:2.0%未満とは、50人1人未満

薄紫:2.0%~とは、50人に1人以上、

濃紫:2.5%以上とは、40人に1人以上

と言い換えることができます。

濃紫部分のエリアでは、40人に1人以上の割合で「親と同居する50代未婚無業男性」がいると言えます。

イメージ的には、学校でいう1クラスを40名(男子校)とすれば、1人以上いることになります。

もう少しイメージしてみましょう。

まずクラス40人中、未婚及び独り身はどのくらいいるのでしょう?

 

男性の生涯未婚率は、およそ4人に1人です。

クラスには10人の未婚(一度も結婚したことのない)男性がいることになります。

 

3組に1組が離婚すると言われています

残りの30人中10人が「独り身」の可能性があります。

 

とてもアバウトな話ですが、クラスの約半数が「独り身」と言えるでしょう。

まずは、対象となる「独り身」が、昔にくらべ明らかに増えていることが言えます。

終身雇用が崩壊している現状では、無職になる可能性も高まっていることでしょう。

都市で働いていれば、地元の地方に帰られる方もいるでしょう。

このような背景のもと、8050問題の対象世帯が増えているものと考えられます。

 

総務省の国勢調査2005年と2015年のデータが元になっています。

データは親と同居する「未婚」無業男性です。

親と同居する「独り身」の無業男性は、含まれていないかもしれません。

 

注目すべきは、わずか10年で日本全国に蔓延する速さです。

現在2019年ですが、侵食はより進んでいることが想定され今後更に増加するものと考えられます。

「6030」時点で問題化しずらいのはなぜだろう?

老後資金がいつまでもつか把握していない

親が定年の頃(60代)に30代の子(ひきこもり)がいるとしましょう。

定年時は退職金や老後資金もあり、30代の子を養うのは金銭面において苦ではなく思われます。

親が健康であれば、子もある意味安心して暮らすことができるでしょう。

この時点では、親も子も将来のことは余り考えていません。

「6030」時点で、まず親が危機感を持つべきです。

年金は夫婦前提のものであり、子の面倒までは含まれていません。

ましてや自助努力が必要な年金です。

30代の子に掛かる費用を仮に月額5万円としましょう。

(費用例)国民年金、国民健康保険、携帯料金等通信費、食費、光熱費、小遣い等

子が50歳になるまでの20年間、単純計算で1,200万円になります。

老後資金が、子を含めて何歳まで対応できるのか?

親がしっかり把握すべきです。

70歳、80歳になって、資金面の不安を感じるのでは遅すぎます。

6030の時点で気付くことが重要です。

60代では寿命を余り考えていない

70代、80代で健康に不安を覚えると親は死を意識し、残った子を案ずるようになります。

その時点で、ようやく子に自立することを促すようになります。

40代、50代になってから自立を迫られても、子は戸惑うことでしょう。

生活資金面にも不安があれば、家族の死活問題となり切羽詰まります。

そうなれば、親は子に強く自立を迫ることでしょう。

親子関係は悪化し、

親は子を憎み、子は親と社会も恨むかもしれません。

8050問題が、事件化する可能性が出てきます。

【提案】親が年金生活を迎える時(6030)に、子が引きこもりであれば老後資金についてFPに相談してみては・・・・

現状の生活をいつまで維持できるのか?

親は6030の時点(定年・年金受給)で、FPに相談するのがいいでしょう。

将来的に生活が「維持できても」、「維持できなくても」その旨を子に伝えるべきです。

そして自分たち(親)が、いなくなった時のことを伝えることです。

例えば、

「私たち(親)が生きている間は、このままの生活は維持できると思う。私たちがいなくなったら、この家を売りなさい。今の相場で3,000万円程になる。それがなくなったら生活保護を受けることになる」
「この生活は私たちが80代になれば資金が底をつく。そうなれば家を担保にお金を借りて生活することになる。私たちがいなくなれば、家と土地はなくなる。あとは生活保護を受けることになる」

 

理想としては、6030の時点で子に状況を説明することが重要だと思われます。

子も親がいなくなったら、生活できないと不安に思っています。

その不安をとることが重要だと思われます。

子に単に働くことを促すのではなく、このままだとどうなるのか説明をします。

働くか働かないかは子が判断すればいいでしょう。

状況がわかれば子も少しは考えることでしょう。

6030では、親も子も働く気になれば働けます。

6030で解決できなければ、7040、8050と子が年齢を増すごとに、解決は難しくなるものと思われます。

7040、8050時点においても、できるだけ早期に現状を把握し、親子伴に不安を払拭する対応が望まれます。