5月20日
緊急事態宣言について、大阪、京都、兵庫の関西2府1県で解除する一方、東京など首都圏の1都3県と北海道は継続する方針を固め、政府は21日開かれる諮問委員会に諮ることになりました。
政府は「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、0.5人程度以下」になることを目安の1つとしていて、現時点で北海道は0.69、数値が下回っていない以上、多くの道民が納得のところです。
広い北海道、札幌市のある石狩管内以外は、16日から自粛要請が一部解除されています。
北海道のニュースでは、札幌市の感染者数と道内の感染者数を分けて報道しており、道民であれば緊急事態宣言の解除は、札幌市しだいだと誰もが思うところでしょう。
札幌市は、大規模なクラスターに悩まされてきました。
主なクラスターとして
・札幌呼吸器科病院
・国立がんセンター
・茨戸アカシアハイツ合計で170名の感染者を出しています(5/13現在)
「病院」と「高齢者施設」でのクラスターは、終息に時間を要します。
ライブハウス等の店舗であれば完全閉鎖できますが、入院患者や利用者がいれば完全閉鎖は困難です。
ここにきて、札幌市の感染者数がようやく落ち着きを見せ始めています。
5月18日 1名
5月19日 1名
5月20日 1名
「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、0.5人程度以下」をクリアーする見通しが立ってきました。
「新型コロナ影響で病床ひっ迫 救急医療“崩壊”のおそれ 札幌」
NHKが5月20日20時11分に報じた記事の抜粋です。
札幌市にある救急病院の院長がNHKの取材に応じ、新型コロナウイルスの影響で病床がひっ迫し、新規の救急患者を受け入れられなくなるおそれがあることを明らかにしました。この院長は「札幌市内の救急病院はどこも同じような状況ではないか。救急医療体制の“崩壊”を防ぐためにも、対策が急務だ」と指摘しています。
取材に応じたのは、入院が必要な救急患者を受け入れている札幌市中央区にある二次救急医療機関「斗南病院」の奥芝俊一院長です。
奥芝院長は、大型連休後の救急医療体制について「病室が空いたらすぐに新たな患者が入ってくる」と述べて、病床がひっ迫した状態が続き、新規の救急患者を受け入れられなくなるおそれがあることを明らかにしました。
奥芝院長によりますと、救急患者はもともと、けがや体調不良とともに、発熱の症状をともなうケースが多く「熱がある以上は新型コロナウイルスへの感染を疑う必要がある」としています。
このため病院では院内感染対策のため全員を個室に入れていて、その結果、およそ100床ある個室が、ほぼ埋まってしまう状態が続いているというのです。
さらに奥芝院長は、ふだんは救急患者を受け入れている整形外科などの単科の医療機関が、院内感染をおそれて発熱を訴える患者の受け入れを拒否するケースがあることも明らかにし「医療機関の本来の連携がとれていない」としています。
奥芝院長は「なんとか救おうと必死に受け入れているが、札幌市内の救急病院はどこも同じような状況ではないか。救急医療体制の“崩壊”を防ぐためにも、医療機関の連携体制の再構築が急務だ」と指摘しています。
5月14日の夕方、札幌市の秋元市長がテレビのローカル番組に出演し、様々な地元の不安について説明がありました。
番組では受入れベッド数についても説明がありましたが、秋元市長は、特に問題があるような発言はありませんでした。
「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、0.5人程度以下」とは、目安の1つに過ぎません。
仮に0.5人程度以下をクリアーできても、医療の受け入れ体制が十分でなければ、宣言の解除には至らないでしょう。
道は、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いがおさまらないかぎり、この状況を大きく変えることはできないとみていて、道の仲介で、医療機関どうしの話し合いを促進して、受け入れ体制の強化につなげたいとしています。
感染拡大の勢いが収まりつつある今、早急な対応が望まれます。