「親の心子知らず」介護に対する親子間の認識相違とは?

独り言

2019年、親を持つ40歳~59歳の男女と、子どもがいて介護された経験がない60歳~79歳の男女を対象にアクサ生命保険が意識調査を行いました。

子の意識として、

「親の介護は誰が担うのがよいか?」

「自分自身」と回答したのが57.2%で1位となり、半数以上が親の介護は子の役割であり責任だと感じています。

2位「介護サービスの職員」(36.0%)
3位「自分の兄弟姉妹」(30.4%)

一方、親の意識として自身の介護の担い手は、

1位「介護サービスの職員」(49.6%)
2位「配偶者」(41.2%)
3位「子ども」(24.6%)

子の半数以上が、自身で介護を担う覚悟を決めている一方、親は意外にも子をあてにしていない結果となっています。

親は子に、具体的に何を望んでいるのでしょう?

1位「話し相手になる」(77.2%)
2位「買い物(食品や日用品など)」(62.6%)
3位「病院や介護施設への送迎」(61.8%)・・・・

親は、「排泄や入浴の手伝い」等といった、子が想像するガチな介護を余り望んでいない結果となっています。

「排泄や入浴の手伝い」等は、介護サービスの職員といったプロに頼めばいいと考えているのでしょう。

親の本心はわかりませんが、「子に迷惑をかけたくない」といった意識が強いのかも知れません。

親子間の関係は、人によって様々で一概には言えませんが、自分の親がどう考えているのか?知りたいものです。

およそ20年程前、公的な介護保険制度が導入されました。

40歳以上であれば介護保険料を納めています。

以前は行政窓口に申請し、市町村が介護サービスを決めていましたが、今は利用者が自らサービスの種類や事業者を選んで利用します。

利用者は、保険適用内で1~3割を負担し、受けたサービスの分だけ費用を支払う「応益負担」となっています。

負担割合は、前年の所得に応じて決定され、一定以上の所得がある方は2割または3割、それ以外の方は1割です。

子である我々は、介護保険制度についての知識が希薄なのかも知れません。

親の半数が、自身の介護は「介護サービスの職員」(49.6%)と回答しています。

親は介護保険制度を子ども以上に理解しているのかも知れません。

親の介護は「自分自身」と考える前に、介護保険制度を理解することが先決のよう思われます。

親の介護など、そもそも見る気がない方もいるでしょう。

「親の面倒はみられません。お金も出しません」

ただ親が望むことが、「話し相手になる」「買い物(食品や日用品など)」「病院や介護施設への送迎」であれば、親に恩義があれば子として出来る範疇のことと思われます。

「親の心子知らず」

このことが介護問題の原点にあるよう思われます。