日本では基本的に年上(目上)の人に対し、礼儀をもつ習慣があります。
宴会での座席にしても「上座」など、特にサラリーマンであれば礼儀に配慮されていることでしょう。
若手サラリーマンの中には、礼儀を弁えない者も増えています。
ここでは、ある仮定のもと中高年サラリーマンとしての作法を考えてみましょう。
50名程の宴会で、ちょっとした余興などもあります。
若手の3人は、1時間前から会場で準備をしていました。
幹事のあなたが20分前に会場に行くと、若手幹事は上座を陣取っていました。
あなたなら、どう若手に指示を出しますか?
上座と下座をその場で教え、座席を変更させる
若手には、上座や下座の概念すらなく、無意識で行っているのであれば正すのもいいでしょう。
ただ、何故その場所に陣取ったか理由を聞くべきです。
単に一般的な上座と下座の位置関係だけを教えては、若手に考えがあれば納得しないことでしょう。
「幹事は入り口に近い下座」
中高年サラリーマンであれば、あたり前のことかもしれません。
単にその常識だけを押し付けるのは、昔であればいいのですが、今は通用しないこともあります。
なぜ上座に陣取ったか理由を聞く
例えば、
マイク等の音響機材がある事や、余興をスムーズに進める為等、若手に考えがあるかもしれません。
その考えを無視し、遠くの下座から行き来するのは確かに非効率です。
音響設備が上座の対面側に移動できないか等、アドバイスするのもいいでしょう。
彼らの主張を聞き入れ対応することが重要です。
仮に音響設備が移動できないとしましょう。
3人の若手の内一人を残し、自分と若手2名を下座に陣取る対応もあります。
これだと若手の一人だけが孤立する恐れがあります。
上座には部長等の上役が座り、彼一人だけが浮いてしまうかも知れません。
もっといい方法はないでしょうか?
若手は上座のままとし、一つおきに座らせる
上役を若手で挟む考えです。
新年会なので、歓送迎会等と異なり席の縛りは少ないものです。
上役と若手の交流といった面も試みとしてあります。
若手にしてみれば、上座に座れば上役や上司と伴にしなければならないことを身を持って知ることでしょう。
新年会の幹事挨拶であなたは一言、この件に触れた挨拶をすればいいでしょう。
「若手幹事が上座にいますが、普段接することのない上役との交流も兼ねおります・・・・」
上役も、いつも同じ顔ぶれの席とは違い、新鮮味のある会となることでしょう。
あなたは下座に座り、会の幹事的役割を果たせばいいのです。
下座にあなたと若手3名が座れば、あなたは若手3人を指示することで幹事的な役割を果たすことできるでしょう。
しかしながら、若手はどう思うでしょうか?
「あの人は口だけで何も動かない」
「我々若手を下座にしたのは、自分が楽をするため」
等と言った意見も予見できます。
今回示したのは、あくまでも考え方の一例であり正解ではありません。
フリースペースで勤務する会社であれば、既に上座や下座等といった慣習のない企業もあることでしょう。
まとめ
今回は新年会の座席ということをテーマにしましたが、たったこれだけのことで様々な考えがあります。
これが仕事や業務になると、バリエーションは無限となることでしょう。
古い慣習やあなたの経験上のことは、バリエーションの一つでしかないことを知るべきです。
若手の意見を無視した判断は「老害」と言えるでしょう。
逆に、若手の意見をそのまま聞き入れるのも、全く役に立たないと言った点で「老害」と言えます。
あなたに必要なのは、若手と一緒に考えることです。