2019年12月25日
農林水産省の元事務次官が長男を殺害したとして、懲役6年を言い渡された判決について、25日、被告の弁護士が判決を不服として控訴し、今後、2審の東京高等裁判所で審理されることになりました。
農林水産省の元事務次官、熊澤英昭被告(76)は、ことし6月、東京 練馬区の自宅で、44歳の長男を包丁で刺して殺害した罪に問われました。
1審で被告は起訴された内容を認め、被告の弁護士は執行猶予の付いた判決を求めましたが、東京地方裁判所は今月16日、「強固な殺意に基づく危険な犯行だ」として懲役6年の実刑判決を言い渡していました。
これについて、被告の弁護士が25日、判決を不服として控訴し、今後、2審の東京高等裁判所で審理されることになりました。
被告の弁護士は「熊澤氏本人には懲役6年の実刑判決であっても、これに服してみずからの罪を償う意向がありましたが、判決は熊澤氏の行為がとっさにやむをえず及んだものである事実を認めなかったことなど、事件に至った経緯・動機について量刑に大きな影響を及ぼす事実誤認があることから、熊澤氏の了解も得て控訴した」というコメントを出しました。
被告は、1審の判決が言い渡されたあとの今月20日、東京高裁に保釈が認められ、保釈金500万円を納めて保釈されています。
出典:NHK NEWSWEB 長男殺害 元農水事務次官側が控訴「判決には事実誤認」
判決で、東京地方裁判所の中山大行裁判長が述べた言葉です。
この件に関しては、当ブログでも動機の一つとして「川崎無差別殺傷事件」との関連性が高いものと思われ、記事にしています。
やはり、裁判長が述べた言葉には、熊沢氏の動機に関して、思いや考えが伝わっていないよう思われます。
なぜ、熊沢氏自身が控訴の構えを示さなかったのか?
それは、もうこれ以上「息子を悪者にしたくない」という親心のように思われます。
自身の罪が軽減されることは、息子の罪が重くなるよう感じさせられます。
控訴し量刑を求める行為をすれば、息子が再度「悪者」となり世間に晒されることになります。
一審の判決は、熊沢氏にとって言わば望む判決だったのかもしれません。