2019年11月5日
パートなどで働く短時間労働者への厚生年金の適用拡大をめぐって自民党のヒアリングが行われ、中小企業の団体からは保険料の負担が増え影響が大きいとして、緩和が検討されている企業規模の要件について、現状維持や段階的な引き下げを求める意見が相次ぎました。
厚生年金への加入は従業員501人以上の企業で、週20時間以上働き、月収が8万8000円以上あることが条件となっていますが、厚生労働省はパートなどで働く短時間労働者が加入しやすいよう企業規模の要件を緩和する方向で検討しています。
これについて、自民党の社会保障制度調査会は5日、中小企業で作る団体などからヒアリングを行いました。
この中で、全国中小企業団体中央会などは保険料の半分は企業が支払うことから中小企業は負担が増えるとして、「従業員501人以上」となっている要件を現状のまま維持するよう求めました。
そのうえで仮に緩和する場合でも100人や50人規模の企業まで一気に拡大すると影響が大きいとして、段階的な引き下げを求める意見も出されました。
一方で日本チェーンストア協会などは、企業規模によって加入条件が異なるのは不公平だとして、要件の緩和を容認する姿勢を示しました。
自民党は引き続き関係団体からヒアリングを行い、今月中に具体策をまとめることにしています。
出典;NHK NEWSWEB 厚生年金適用拡大 中小企業団体 “負担増え影響大きい”
そもそも、なぜ「従業員501人以上の企業」という企業規模の要件があったのでしょう。
記事の通り、厚生年金は「労使折半」であり企業も負担しなければなりません。

企業の負担は、どのくらい増えるのでしょう。
大雑把ですが、
労使折半なので8,000円/月程度の負担になります。
下限値の8.8万円で計算しても年間9.6万円、およそ10万円/年の負担となります。
パートが10人いれば年間100万円以上、50人いれば年間500万円以上の負担を覚悟しなければなりません。
また、事務手続き等の労務管理も増えることでしょう。
日本チェーンストア協会等が言うように、企業規模によって加入条件が異なるのは不公平だという意見もありますが、パートに頼りぎりぎりの資金運営をする企業にとっては死活問題になります。
中小企業においては「最低賃金」の問題もあり、今後負担が増えることが予想されます。
単に公平性の観点から、「従業員501人以上」という条件を安易に外すのは危険です。
当初、なぜ「従業員501人以上」と条件を付けたのか、しっかりと振り返るべきです。
緩和するにしても、やはり段階を踏むべき案件かと思われます。