50代で6割が年金受給額を把握していない
日本銀行が個人を対象に、金融の知識・判断力を問う「金融リテラシー調査」を行いました。
今年で2回目となる同調査は、18歳~79歳の2万5千人を対象に3月に実施されています。
調査内容は多岐に渡るものと思われますが、
注目すべきは、
存在することです。
20代、30代であれば、年金生活はまだまだ先の話ですが、50代であれば60歳、65歳はもう間近です。
50代で受給金額を認識されていない方は、まず金額を知りましょう。
この記事を読まれている20代~40代の方も、以下に示す現状を知ってほしく思います。
6割の方は現状を認識しよう
まずは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を確認してみましょう。
50歳以上であれば「年金見込額」が記載されています。
見込額とは、現時点の給与水準のまま60歳まで働き続けることを前提として計算されています。
唐突な金額例で申し訳ありません。
多くの方が65歳受給とした場合、この金額を下回ることでしょう。(夫婦ではなく単身です)
公的年金(厚生年金)で月額20万円以上を受給される方は、かなり少数と思われます。
公的年金(厚生年金)だけでは、単身であれば年収ベースで100万円台が普通で、よくて200万円台の生活かと思われます。
この額から社会保険料や税金が引かれます。(手取りは、額面より15%程度低くなります)
自身の年金額を知り、ここまででも驚かれるかもしれません。
しかしながら、ここまでは現状認識に過ぎません。
本題はここから
問題なのが、少子高齢化により受給額が更に下がる可能性があることです。
この件は、金融庁2,000万円の報告書(案)及び報告書でも指摘されています。
報告書(案)では、
「少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい」
報告書では、
「少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していくことを踏まえて、年金制度の持続可能性を担保するためにマクロ経済スライドによる給付水準の調整が進められることとなっている」
つまり、マクロ経済スライドにより現行の給付水準を保てないことを意味しています。
もしマクロ経済スライドにより2割~4割、年金が減るとしたら老後生活は成り立ちませんね。
7月の参議院選挙では、野党は年金や家計問題に重点をおき選挙を戦っています。
記事では「本題はここから」と問題点を書きましたが、現状が既に問題です。
政府は、現状の年金制度に全く問題意識を持っていないよう伺えます。
野党は、現時点での年金のあり方を問題視しています。
特に共産党は「マクロ経済スライドの廃止」を訴えています。
また今年は、5年に1度行われる年金の財政検証の年です。
この財政検証の結果も注目されます。