農林水産省が2025年3月10日に発表したデータによると、2025年2月24日~3月2日にスーパーで販売された米5キロ当たりの平均価格は3952円。前年同期比で94.6%高騰しており、前週の3939円からもさらに13円値上がりしました。これは、備蓄米放出の公表後も米価の上昇が続いていることを示しています。
(出典:FNNプライムオンライン)
米の価格上昇が家計に与える影響
日本人にとって欠かせない主食「米」の価格上昇は、家計にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
まずは、国民1人当たりのお米の消費量を確認してみましょう。
お米の1人当たりの消費量は?
農林水産省によると、2022年度における日本人1人当たりの年間お米消費量は50.9kg。
1962年度のピーク時(118.3kg)と比べて半分以下に減少しています。この減少は、食生活の多様化や他の主食の普及が背景にあります(農林水産省公式サイトより)。
米価高騰による国民1人当たりの年間消費額試算
1年前の米価格と今回の速報値で、国民1人当たりの年間消費額を試算しました。
【1年前】2024年3月: 2198円(5Kg)=440円/Kg
【速報値】2025年3月: 3952円(5Kg)=790円/Kg
試算結果
【1年前】 440円/Kg × 50.9Kg = 22,396円
【速報値】 790円/Kg × 50.9Kg = 40,211円
差額: 17,815円
米の消費は家族構成等によっても変わり、あくまでも目安として、国民一人当たりの年間消費額を示しています。
家庭ごとの家計負担増をさらに検証
2023年4月~2024年3月において米の価格は安定しており、平均すると2,100円(5Kg)前後で推移していました。
この間を基準となる期間(国民が意識する従来価格)とし、今後仮に4,000円前後(速報値3,952円)で米の価格が推移した場合、家計負担はどの程度になるか検証してみます。
・1ヵ月に米を5Kg消費する家庭
基準期間の年間消費額=25,200円
今後4,000円前後で推移
した場合の年間消費額=48,000円
年間22,800円の負担増
同様に
・1ヵ月に米を10Kg消費する家庭:年間45,600円増
・1ヵ月に米を15Kg消費する家庭:年間68,400円増
・1ヵ月に米を20Kg消費する家庭:年間91,200円増
*農林水産省が発表する米の平均価格には、通常、消費税が含まれています。具体的には、運賃や包装代も含めた価格として算定されており、消費税もその中に含まれる形で公表されています。
政府の対応と今後の期待
米は日本の主食であり、米の生産等の施策には政府が関与しています。
減反政策の影響や食料自給率の低下、農業予算の使い方、価格変動への対応不足等、国民からの批判も多く、課題は山積しています。
家計において米の値上がりは、増税と同じ作用があります。
今回、政府は備蓄米を放出しますが、従来価格に近づくことを期待します。