【北見市】深刻な財政難は同市に限ったことか?財政健全化計画から見える市民生活

独り言

北海道北見市は、広大な面積と低い人口密度を特徴とする地域ですが、現在、深刻な財政難に直面しています。

市は毎年約30億円の財源不足が見込まれており、この状況を打開するために「財政健全化計画」を策定しました。

この計画は、歳出削減と歳入増加を目指し、公共施設の見直しや使用料の改定などを含む具体的なアクションプランを掲げています。

北見市の財政難の背景

北見市の財政難の主な要因として、少子高齢化による税収減少、社会保障関連経費の増加、そして物価高騰が挙げられます。

これらの理由は、全国の自治体にも言えることでしょう。

他の自治体との違いは、2006年の市町村合併により、インフラ整備や公共施設の維持管理に高コストがかかる「高コスト体質」になったことです。

2006年の市町村合併では、北見市、端野町、常呂町、留辺蘂町の1市3町が統合され、新しい北見市が誕生しました。

札幌市と比較すると、北見市は1.27倍の広さがあり、札幌市の人口はおよそ195万人、北見市はおよそ11万人です。

人口密度が低いことは一目瞭然です。

北見市の面積は、自治体全体で4位にランクされます。

ちなみに【1位】高山市(岐阜県)、【2位】浜松市(静岡県)、【3位】日光市(栃木県)に次ぐものです。

この合併の目的は、地域の行政効率化や財政基盤の強化、そして広域的なまちづくりを進めることでした。

合併後、北見市は広大な面積を持つ自治体となり、オホーツク圏の中核都市としての役割を担っています。

しかし、広い地域をカバーするためのインフラ整備や公共サービスの提供には高コストがかかり、現在の財政難の一因ともなっています。

今となり合併による後遺症が露呈したように思われます。

財政健全化計画の内容

北見市の「財政健全化計画」は、2027年度までに一般財源を確保し、持続可能な財政運営を目指すものです。

計画には、以下のような取り組みが含まれています。

・公共施設の閉鎖や統廃合

・使用料や手数料の見直し

・自主財源の確保に向けた施策

これらの取り組みは、市民生活に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

市民生活への影響

財政健全化計画の実施により、市民生活には一定の負担が生じることが予想されます。

公共施設の閉鎖

市営浴場や温室など、市民の憩いの場として利用されてきた施設が閉鎖される予定です。

使用料や手数料の見直し

公共サービスの料金が引き上げられる可能性があります。

ゴミ処理手数料の改定

ゴミ袋の価格が上昇する可能性があります。これにより、家庭ごみの処理にかかる費用が増加し、市民の負担が直接的に影響を受けることが予想されます。

火葬場使用料の有料化

これまで無料で提供されていた火葬場の利用が有料化される予定です。

し尿処理手数料の改定

し尿処理手数料とは、下水道が整備されていない地域のトイレの汲み取り料金のことです。

行政財産使用料・普通財産貸付料の見直し

公共施設や土地の利用に関する料金が再評価され、これまでよりも高い料金が設定される可能性があります。

スポーツや教育施設の影響

体育館やプールなどの施設が閉鎖されることで、スポーツ活動や教育関連の活動が制限される可能性があります。

特に子どもたちの活動場所が減少することが懸念されています。

市民サービスの縮小

保育園やその他の市民サービスが見直されることで、利用者にとっての利便性が低下する可能性があります。

財政難は北見市だけの問題ではない

2006年は、日本全国で多くの市町村合併が行われた年です。

この年は「平成の大合併」と呼ばれる時期の終盤にあたり、特に1月から3月にかけて多くの自治体が合併しました。

自治体の数が大幅に減少し、行政の効率化や財政基盤の強化が図られましたが、一方で地域のアイデンティティや住民サービスの維持に関する課題も浮き彫りとなっています。

又、合併に関わらず多くの自治体が、少子高齢化による税収減少、社会保障関連経費の増加、そして物価高騰の影響を受けています。

北見市の取り組みは、他の自治体にとっても参考になることでしょう。

持続可能な地域運営を実現するために、北見市の挑戦は続きます。