中高年のキャリアブレイクは危険?前向きな離職であっても無職の現実

独り言

キャリアブレイクとは

仕事を一時的に休職することを指します。休職期間は数週間から数年に及ぶことがあり、その目的や理由は多岐にわたります。この概念は近年、特に若い世代や働き盛りの年代に広まりつつあります。

一般に言われるメリット

◎心身のリフレッシュ

長時間労働やストレスの多い仕事から解放され、心身のリフレッシュを図ることができます。これにより、仕事へのモチベーションが回復し、生産性が向上することが期待されます。

△新しいスキルの習得

休職期間中に新しいスキルや資格を取得することができ、復職後にキャリアアップの機会が広がる可能性があります。特にITやデジタル分野では、最新の技術を学ぶことで競争力を高めることができます。

中高年の場合、新たなスキルや資格が、過去の実務経験に付随することが重要です。

◎家族や個人的な時間を大切にする

キャリアブレイクを利用して家族との時間を過ごすことができ、家族関係の改善や自己の充実感を得ることができます。

キャリアブレイク後の主なパターンは、

・復職(元の会社に戻る)
・転職
・独立

復職といった考えがあるのが、特徴であるように思えます。

しかしながら、中高年のキャリアブレイクで復職可能なのは、限られた企業や人材のように思われます。

キャリアブレイクを考える多くが、現状の職場に満足していないよう思われ、キャリアブレイクに失敗したら復職といった考えに捉えられます。

中高年のキャリアブレイクは危険?

厚生労働省の調査によると、転職した人の中で「離職期間なし」(次を決めてから退職した人)は全体の26.1%です。

(令和2年転職者実態調査の概況)

この事実には2つの見方があります。

①転職者全体の73.9%の人は、大なり小なりキャリアに離職期間をつくっている。

②離職後すぐには転職先が決まらない。転職は困難な状況である。

①はキャリアブレイクを推奨する見方であり、②はリスクを懸念したネガティブな見方です。

若い世代であれば①でも構いませんが、中高年であれば②の見方が現実的です。

そもそもキャリアブレイクは欧米由来のもので、日本の労働環境とは異なります。

現状の労働市場を見れば、20代~30代前半の若い世代であれば理解できます。

キャリアブレイクを考える際、特に無職(無収入)期間の資金計画が重要です。

休職期間中の生活費や将来の計画を考慮した資金計画を立てる必要があります。

資金計画に問題がなければ、中高年にとってもキャリアブレイクは有意義な離職期間となることでしょう。