不名誉な「化石賞」をもたらした梶山経済産業大臣!世界規模で抗議される日本

独り言

2019年12月4日

3日、梶山経済産業大臣が「石炭火力発電所は選択肢として残していきたい」と述べたのを受けて、スペインで開かれている「COP25」の会場では、国際NGOが、温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本を選びました。

「化石賞」は、国際的な環境NGOのグループがCOPの会期中、温暖化対策に消極的だと判断した国や地域を毎日選び、皮肉をこめて贈っています。

3日の「化石賞」には、日本とオーストラリア、ブラジルが選ばれました。

このうち日本について担当者は、国連のグテーレス事務総長が、COPの開幕にあたって温暖化対策の強化と石炭火力発電の利用をやめるよう各国に求めた翌日に、梶山経済産業大臣が「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」と述べたことを理由にあげています。

会場にいたポーランドのNGOの女性は「再生可能エネルギーに切り替えていくべきだ。日本にはこのCOPで道筋を示してほしい」と話していました。

出典:NHK NEWSWEB 日本に「化石賞」 温暖化対策に消極的な国に贈る

日本の電力における石炭の依存度は3割程度と言えます。

国により「電源構成」は異なり、石炭への依存度は日本が極端に高い訳ではなく思われます。

国別の電源構成

出典:自然エネルギー財団 2018年の電源構成:世界15カ国 更新日:2019年9月19日

グラフの黒の部分が「石炭」です。

中国やインドにおいては石炭の依存度が高いと言えますが、日本はドイツやアメリカ等と同レベルと言えます。

他の国を見ても、原子力に頼らなければ、多かれ少なかれ石炭に依存しているのが実情です。

梶山経済産業大臣は「石炭火力発電所は選択肢として残していきたい」との発言に、各国が反応を示しています。

国連の事務総長が、温暖化対策の強化と石炭火力発電の利用をやめるよう各国に求めた翌日の発言、タイミング的には「失言」と言えるでしょう。

電源構成から見て世界的に遅れを取ってるのが「自然エネルギー」の活用です。

国際的な場では、その点を踏まえ発言すべきでしょう。

石炭、石油及びガスを含め「化石燃料」です。

日本は電源構成の約7割を化石燃料が占めています。

化石燃料におけるCO2の排出量と言った観点でみると、

石炭>石油>ガスの順で、CO2排出量は低下します。

CO2を削減しようという国際会議の場で、「石炭火力発電所は選択肢として残していきたい」との発言は、そもそも化石燃料に頼る日本が口にすべき言葉でないのは明らかです。

2019年12月6日

地球温暖化対策を話し合う国連の会議、「COP25」が開かれているスペインでは対策の強化に向けて、石炭火力発電の廃止を日本などに求めるシンポジウムや抗議活動が行われました。

COP25の会場では5日、アメリカや東南アジアの環境団体などが石炭火力発電をテーマにしたシンポジウムを開きました。

石炭火力発電は天然ガスなどに比べると温室効果ガスの二酸化炭素の排出量が多く、温暖化の一因とされ、出席者は「すぐに石炭への依存をやめなければいけない」などと訴えました。

そして自治体と協力して企業に働きかけたことで、石炭火力発電所の建設が中止になった事例など、各国での取り組みが紹介されました。

また会場の外では各国の環境NGOなどが石炭火力発電所を利用する日本に対して抗議活動を行い、「さよなら石炭」などと訴えて再生可能エネルギーへの転換を求めていました。

イタリアから参加した女性は「日本が石炭火力発電をやめれば、リーダーシップを発揮できるし、他の国にもいい影響を与えると思う」と話していました。

石炭火力発電所をめぐっては、国連のグテーレス事務総長がCOP25の開幕にあたって「石炭への依存を止めないと気候変動に取り組むためのすべての努力がむだになってしまうだろう」として、石炭からの脱却を各国に求めています。

出典:NHK NEWSWEB 石炭火力発電廃止を日本などに求めるシンポジウム スペイン

日本は世界から、梶山経済産業大臣の一言でバッシングされています。