【かんぽ】電子サインの転写(不正コピー)で契約書捏造!クローズアップ現代が暴く

かんぽ不正問題

番組冒頭(経緯)

2019年7月31日、クローズアップ現代において「検証1年郵便局・保険の不適切販売」が放送されました。

2018年4月24日放送の『郵便局が保険を”押し売り”!?~郵便局員たちの告白』の言わば第2弾の報道です。

2018年の放送では、日本郵便の佐野公紀常務執行役員も番組に出演し、

「信頼を裏切るような行為が、少なくない数、起こっている。会社として非常に深刻。郵便局に対しての信頼を失ってはいけない。改めないといけない。」

と番組内で発言されていました。

しかしながら、今年の謝罪会見の場で、

かんぽ生命 植平光彦社長は、

「お客さまに不利益が発生している現状につきましては、直近の調査の内容で判明をしました。」

直近の調査で判明?

公共放送であるNHKに、昨年不適切販売を指摘され、日本郵便の幹部まで番組に出演し、明らかに問題だと認めたことを知らなかったとは言って欲しくありません。

番組では、その思いを冒頭にぶつけていました。

電子サインが転写され保険契約が成立

番組での一幕です。

「説明しないで保険に入れられるなんてことが、この世の中にあっていいはずがないっていう、驚がくのひと言ですね。」

ある日、2人の郵便局員が母親の智子さんを訪ねてきました。相続税対策の話がしたいと切り出したといいます。娘の弘美さんも同席し30分ほど話をすると営業で立ち寄ったことを報告するため、こちらにサインしてほしいと用紙を差し出されたといいます。智子さんと弘美さんは疑うことなくサインしたといいます。ところが数日後。家族は身に覚えのない書類の存在に気が付きました。

弘美さんの夫
「保険のなんと契約証書が入っていたと。これとこれで、全部、設計書なんですよ。」

郵便局員が面談後に置いていった資料などの中から保険証券や重要書類が出てきたのだといいます。

弘美さんの夫
「これ出てきたと。置いてったチラシにはさんで全部置いてありましたよ、ということですね。」

この保険は娘の弘美さんが死亡したときに高齢の母親が保険金を受け取るというもの。保険料の総額は10年間でおよそ860万円。月7万円の支払いの8割近くを掛け捨ての特約に充てた設計でした。

不審に思い問い合わせた家族はさらに驚きます。郵便局側が開示したのは保険に同意したとするサイン。報告のためと言われて書いた2人のサインが保険契約に同意したことを示す書類に転写されていました。

娘 弘美さん
間違いなく私のサインではありましたけれども、その契約書にサインした覚えは一切ないですね。もう青天のへきれきですよね。」

実は、営業の報告のためとサインを促したときに使用されたペンは、もともとかんぽ生命がペーパーレス化を進めるために導入したもの。筆跡をデータとして保存し、そのままほかの書類に転写できる機能が備わっていました。

出典:NHKクローズアップ現代 検証1年 郵便局・保険の不適切販売

「営業の報告のため」とタブレットにサイン、その「筆跡データー」が契約書等の他の書類に転写される。

何とも卑劣な悪事であり完全なる「犯罪」です。

先日7月31日の「郵政グループ3社社長会見」の時、不適切な疑いの保険契約は「18万件」と公表しましたが、少なくても契約書にお客様のサインがあるので、18万件はあくまでも最大値と説明し、契約の有効性を訴えていました。

サインの信憑性が疑われる以上、この言い分は通用しません。

以前は、タブレットにサインする行為は、物珍しさもありましたが、今では多くの企業で採用され、あたり前の行為となっています。

印鑑を持ち歩かずに済み、ペーパーレス化等、客側と企業側の双方にメリットがあるものと思われてきました。

タブレットにサインする行為は、「白紙委任状」にサインする行為と同じかもしれません。

法的には極めてリスクの高い行為と同等のように思えます。

タブレットにサインするケースは、ほとんどの場合が大企業です。

企業の信頼の元、タブレットにサインするものと考えていいでしょう。

企業の信頼がなければ、タブレットによるサインは慎むべきと思われます。

現状、信頼のない郵政グループのタブレットへのサイン、あなたはどうしますか?