緊急事態宣言期間中に営業をしていた飲食店に「自粛要請ビラ」を貼り付ける「自粛警察」、マスクをしていない人を一方的に非難する「マスク警察」、お盆の最中、新たに生まれた「帰省警察」
コロナ禍の日本では、多くの国民警察が生み出されています。
海外から見れば、法的な強制力や罰金等の罰則がない自粛要請に従い「ステイホーム」を実践する日本人を不思議に思うかも知れません。
日本人の特性、国民性なのでしょうか。
「人は、なぜ他人を許せないのか?」の著者、脳科学者の中野信子氏によると
人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人といった、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。
他人に「正義の制裁」を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を常に探し求め、決して人を許せないようになるのです。
中野氏は、この状態を「正義中毒」と呼んでいます。
正義中毒は、危機的な状況になればなるほど、盛り上がりやすい傾向にあるものと考えられています。
日本におけるコロナによる死亡率は、海外に比べ極端に低い傾向にあります。
もし、死亡率が海外と同様、又はそれ以上であれば自粛警察の活動はもっとエスカレートすることでしょう。
ステッカーの貼られた店がクラスターとなり、テレビ等では自己申告でチェックし簡単に発行できる「感染防止徹底宣言ステッカー」に、意味がないのでは?と今更の批判が高まっています。
東京都はある意味、自粛警察の出現を期待していたのかも知れません。
ろくに感染対策もせず、ステッカーだけを掲げる店に非難がいくものと考えていたのでしょう。
矛先が東京都となり、「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示している飲食店を中心に、都職員が対策状況を“抜き打ち”で見回ることを明らかにしました。
都内約18万の施設や店で掲示されるステッカーの有効性が問われていますが、職員6チーム(計12人)で繁華街の居酒屋やレストランなどを早ければ19日から巡回する予定です。
たった6チームの抜き打ち検査で、何ができるのでしょうか?
ここは「レインボー警察」の出番かもしれません。