FP資格の取得者であってもアーリーリタイアの決断が困難な理由

アーリーリタイア

アーリーリタイア資金の算定には不確定要素が多い

アーリーリタイアの決断において、アーリーリタイアの資金計画は必要なものと思われます。

FP資格を取得していれば、容易にアーリーリタイアの資金計画を作成できるのでしょうか?

アーリーリタイア資金の算定には不確定な要素が多く存在します。

算定を困難にする不確定要素とは何か?

主なものを3つ紹介します。

アーリーリタイア資金ー不確定要素 ①寿命

あたり前の話かもしれません。

しかしながら、アーリーリタイアの資金算定において寿命を何歳まで見るかにより資金は大きく異なります。

金融庁の報告書で話題になったのが、

「公的年金だけでは2,000万円の自助努力が必要」という文言です。

2,000万円必要な根拠は、

簡単に説明すると

65歳で公的年金を受給し、平均的な生活を行った場合、約5.5万円の生活費が不足します。
65歳から95歳(30年間)生きるとすると、
5.5万円×12ヵ月×30年=1,980万円
約2,000万円不足するというものです。

 

寿命を95歳にすることで、2,000万円必要ということになります。

例えば、男性の平均寿命は約81歳です。(約80歳とします)

65歳~80歳までの15年間で算定すると、

計算するまでもなく(30年で2000万円なら半分の15年では?)

約1,000万円必要ということになります。

寿命の考え方で、老後資金が半減することが分ります。

長期的なアーリーリタイアの資金計画において、期限をいつまでにするか?

とても重要なことです。

またアーリーリタイアの場合は、いつから(何歳から)アーリーリタイアするかも重要となります。

しかしながら、人の寿命は不確定なものです。

FPであれば、「長生きリスク」を心配されることでしょう。

そうするとアーリーリタイア資金は、どうしても高額となってしまいます。

アーリーリタイア資金ー不確定要素 ②物価上昇等

失われた20年、30年と言われる平成においては、デフレ状況下にありました。

今後において、物価は上昇していく傾向にあるものと考えるのが一般的なのかもしれません。

物価上昇「等」には、消費税の増税等も含みます。

例えば、

現状では、100円の商品であれば108円で購入できます。

消費税が10月から10%になれば110円になります。

差額は、たった2円と思うかもしれません。

1ヵ月30万円の消費があれば、消費税8%と10%の差額は6,000円/月になります。

(軽減税率は考慮していません)

年間で72,000円の支出が増えることになります。

10年間で720,000円の差となります。

たった2%の差で、10年間で72万円も支出が増えます。

アーリーリタイア資金を算定する際は、物価上昇率をある程度見込む必要性があります。

FPであれば、将来の物価上昇率を想定し資金を算定することができます。

ただ、物価上昇率をどのくらいに設定すればいいのでしょう?

物価上昇率を高く見込むと当然、アーリーリタイア資金の額も上昇してしまいます。

アーリーリタイア資金ー不確定要素 ③資産運用

アーリーリタイアするのであれば、数千万円~億単位の資産を持っていることでしょう。

ただ保有するだけでは、勿体ないのかもしれません。

やはり資産運用が必要なのでしょうか。

FP資格は、金融系企業の資格であり銀行や証券会社で働く方が多く保有されています。

「投資」はお手の物なのかもしれません。

ただ、資産運用にはリスクが付きものです。

2008年9月に起きたリーマンショックは、世界的な規模で金融危機が発生しました。

資産は大きく目減させたことでしょう。

ここ最近でも、「投資信託の46%は損」をしていることが話題になっています。

 

 

資産運用における利率を上げるとアーリーリタイア資金を抑えることができます。

どのくらいに設定すればいいのでしょうか?

金融系FPであっても、この数字に悩まされることと思われます。

まとめ

この他にも年金の受給額等、不確定要素は数多く存在します。

FP資格の取得者であっても、自身がアーリーリタイアするとなれば決断は容易ではないことでしょう。

どんなに優秀なFPであっても、長期的な将来を見通すことは不可能と言えます。

言い換えれば、アーリーリタイアの資金計画は「絵に描いた餅」なのかもしれません。

アーリーリタイアの決断は、資金面以上に人生観が必要だと考えます。

あなたがアーリーリタイアしたいのであれば、まず強い人生観を持つことです。

お金の問題は、二の次なのかもしれません。