2020年7月28日
札幌市の秋元市長は繁華街・ススキノでの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、出前型のPCR検査の実施を検討する考えを示しました。
札幌の繁華街・ススキノでは今月15日にキャバクラでクラスター=集団感染が発生するなど、接待を伴う夜の店に関連する感染者は28日までに21店舗で合わせて42人と感染拡大が続いています。
札幌市の秋元市長は28日に開かれた感染症対策会議の中で、「店舗の協力を得ながら出前型のPCR検査の実施を検討してほしい」と市の幹部職員に指示しました。
市はこれまでもススキノに臨時のPCR検査センターを設置して利用を呼びかけてきましたが、今後は店舗まで出向いてPCR検査の利用促進を図る考えです。
会議のあと、秋元市長は記者団に対し「今は事前に予約をして検査を受けてもらう形だが、今後は例えばビル全体とか店舗全体といった形で対象を拡大し、協力が得られたところから検査を進めていきたい」と述べました。出典:NHK NEWSWEB ススキノで出前PCR検査を検討
ススキノに存在する様々な業種
北の大歓楽街ススキノには、様々の業種の店が混在しています。
例えば、
①ラーメン屋や居酒屋等、接待を伴わない飲食店
②基本接待を伴わないバー等(ガールズバーは接待といった観点ではグレー)
③スナック、パブ、ラウンジ、ニュークラ(東京でいうキャバクラ)、クラブ、ホストクラブ等の接待を伴う飲食店
④オッパブやセクキャバ等、濃厚な接客を売りにした接待を伴う飲食店
⑤ソープランドやヘルスといった飲食を伴わない風俗店
これ以外にも、まだまだあることでしょう。
①~⑤は大切なススキノの観光資源です。
業種における感染リスク
①から⑤を「業種」と捉えれば、一般に感染リスクは
と考えらます。
①~③は基本的に感染対策ができる業種と言えますが、④と⑤に関してはサービス内容からみて感染対策は不可能に近いでしょう。
7月15日、キャバクラでクラスター発生との報道がありましたが、地元では店名が口伝で知られています。
業種は④のセクキャバです。
感染対策が不可能に近いセクキャバを、一般のキャバクラと表現し報道しては、対策を講じているキャバクラにとっては営業妨害です。
やはり店名は公表すべき
接待を伴う夜の店に関連する感染者は、28日の時点で、21店舗で合わせて42人と感染拡大が続いています。
店名が非公開なので、業種がまったくわかりません。
これでは、ススキノに足が向きません。
観光客が行く店、若者が集まる店、年配客が集まる店等、店ごとに特性があります。
7月29日、福岡市の高島市長はクラスターが発生した店の名前の公表について、感染症法では必要な情報を「積極的に公表しなければならない」とある一方で、公表に当たっては個人情報の保護に留意する必要性も定められており、「公表してほしい店ほど公表に同意してもらえない」と西村大臣に訴えました。
西村大臣は「疫学調査を積極的にして抑えるのが大事だ。厚労省で議論して対応できれば」と公表に前向きな発言をしています。
今後は店名公表があたり前になるかもしれません。
【7月30日追記】
札幌市の秋元市長は、30日の会見で、集団感染が起きた店の名前を同意なく公表するとしている政府の方針について、慎重な考えを示しました。
「必ずしも店名公表だけが感染防止につながるとは言い切れない」
そのうえで客の追跡が困難だったり、ガイドラインに基づく感染防止策をとっていなかった場合は、店名を公表する場合もあるとしています。
出前PCR検査について
「今は事前に予約をして検査を受けてもらう形だが、今後は例えばビル全体とか店舗全体といった形で対象を拡大し、協力が得られたところから検査を進めていきたい」
これでは、無作為にPCR検査を行っていくよう伺えます。
細かな業種を意識した検査を実施し、業種ごとの陽性率等のデータを収集し、感染傾向を調べてほしく思われます。
また陽性者の出た店舗は、出前の利(現地にいる)を生かし、その場でガイドラインのどの項目に不備があるのかを見極め、指導すべきと思われます。
そして、その状況(傾向)をまとめ公表すべきです。
ススキノを完全閉鎖する事態は、避けなければなりません。
業種ごとではなく理想は、感染対策の状況で営業停止する等、個別対応が望ましく思われます。