新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、DVは世界的な社会問題の一つとなっています。
4月5日、国連のグテーレス事務総長は、
とする声明を発表しています。
各国の状況(報道)を見てみましょう。
中南米諸国で支援団体などに助けを求めるDV被害者の女性や少女からの電話が急増している。
新型コロナウイルス流行による外出禁止令のために、ここ数週間、家に閉じ込められている被害者女性たちは、身も凍るような責め苦に遭っている。アルゼンチンでは政府が3月20日に外出禁止令を発令して以降、最初の20日間で18人の女性がパートナーや元パートナーに殺害された。電話相談の件数は4割近く増えている。
メキシコやブラジル、チリ、他の中南米諸国でも状況は同様に深刻。4月21日【AFP】
イギリス、ロンドン警視庁によりますと、先月9日から今月19日までの間にロンドンで、DVによって逮捕に至った事件は4093件に上り、平均すると1日におよそ100件になります。
また、事件として処理されなかったものも含め、DV被害の通報は1万7275件で去年の同じ時期に比べ9%増加したとしています。
アメリカ、ニューヨーク州では、常設のDVホットラインに、今年2月から3月までに寄せられた相談件数は、去年の同じ時期に比べて18%、今月の件数は30%それぞれ増加しています。
4月25日【NHK】
日本も例外ではありません。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く中、DV=ドメスティック・バイオレンスの被害の相談が支援団体に相次いで寄せられていることが報道されています。4月18日【NHK】
DVとは?
配偶者や恋人及びパートナー等、親密な関係にある者から暴力を振るわれることです。
夫婦間等の問題に「口出し」する気はありませんが、殴られたり蹴られたりすれば「暴行事件」です。
警察に被害届を出して加害者に刑事罰を加えることができます。
警察を呼ぶのに抵抗がある方もいるでしょう。
ただ、後になってからDVを立証するには「証拠」が必要となります。
証拠となる代表的なものとして、
①傷やケガ等の状況がわかる写真
②日記やメモ
③医師の診断書
があります。
①の写真は、相当の暴力を受けなければ映像には写らないことでしょう。
③の診断書は、コロナが蔓延する中、病院に行く感染リスクや、医療従事者の負担を増やすこともあり、気が引けるかもしれません。
②の日記やメモは、「被害者が一方的に書いただけの記録が証拠になるのか」と疑問に思われるかもしれませんが、事細かに書かれた文章はリアル感があるため、裁判でも「信憑性がある」と判断され十分証拠になりえます。
いつ、どこで、誰に、何をされたのか、どのくらいの時間被害を受けたのか、相手の発した言葉、暴力後の相手の行動や自分の行動等を詳細に文章に残すことです。
直接DVを訴えなくても、離婚に至るケースもあることでしょう。
離婚をするには、この証拠が重要となります。
弁護士やDV支援の専門家に相談するにしても、証拠があった方が対応をスムーズに進められます。
もし、DVで「命の危険」を感じたら、躊躇せず逃げましょう。
警察に通報する、警察に駆け込む等、第一に命を守る行動をすべきです。
DVは、世界的な社会問題です。あなただけの問題ではありません。