フジテレビは、21日放送の報道番組「イット!」で、CMの見合わせが75社、ACジャパンの広告への差し替えは350本以上と報じています。
「ACジャパン」という名称は、誰もが聞いたことがあるでしょう。
ただ、その実態を知っている方は少ないよう思えます。
今回は、今更聞けない「公益社団法人ACジャパン」について簡単に紹介します。

ACジャパンとは
「民間の力で、少しでも世の中のお役にたつ活動をしたい」
社会問題や公益性の高いテーマ、具体的には「いじめ防止」「環境保護」「防災」等、社会に重要なメッセージを発信することを目的にした非営利団体です。
1971年の設立当初は114社の会員でしたが、今では1000社を超えています。
2009年には「社団法人公共広告機構」から「社団法人ACジャパン」へと名称を変更し、2011年には公益性が認められ「公益社団法人ACジャパン」として活動しています。
民間企業の会員及び個人会員の協力によって運営されており、活動資金は全て会員の会費によるもので、公的な資金は一切受けていません。
その活動は、会員である民間の企業・団体が持ている資源を少しずつ出し合い、社会にとって有益なメッセージを広告という形で発信するCSR活動です。
委員会には、会員の企業から延べ300人近い方々が、その企業の社会貢献活動の一環としてボランティアで参加しています。
注目すべきは、正会員にはテレビ・ラジオ・新聞等のメディアが会員となっており、それらの会員が無償で広告枠を提供し、CMは流されています。
なので、ACジャパンが直接支払う広告費はありません。
正会員数 1,034社
賛助会員数 44社
個人会員数 81名
(2024年3月31日現在)
ちなみに、株式会社フジテレビジョンもACジャパンの正会員です。
広告主が「AC差し替え」をする理由としては、
その代償を支払っても 企業のイメージを守りたい場合と言えます。
これまでは、広告主側の不祥事等で広告を中止する場合や、震災等による広告の自粛がありましたが、TVメディア自体の不祥事で数多くのCMが、AC差し替えとなるのは、前代未聞のことと言えるでしょう。