いわゆる就職氷河期世代を含む地方公務員の中途採用の計画について、総務省が取りまとめたところ、今年度から令和4年度までの3年間に、5500人余りの採用が予定されていることが分かりました。
政府はいわゆる就職氷河期世代の支援を進めるため、今年度から令和4年度までの3年間に、正規雇用で働く人を30万人増やす目標を掲げていて、総務省は全国の地方自治体に対し、地方公務員の中途採用を積極的に進めるよう要請しています。
総務省が今月1日時点での全国すべての地方自治体の計画を調べたところ、535の自治体が令和4年度までに就職氷河期世代を含む中途採用を予定していて、採用予定者数は合わせて5567人だったということです。このうち就職氷河期世代に限定した採用を予定しているのは130の自治体で、合わせて689人でした。
高市総務大臣は閣議のあとの記者会見で、「全国の自治体には大変意欲的に取り組んでいただき、お礼を申し上げる。さらに多くの自治体に取り組んでいただけるよう、働きかけを続けたい」と述べました。
出典:NHK NEWSWEB 就職氷河期世代支援 地方公務員の中途採用計画は5500人余り
全国に自治体は、
中途採用が3年で5500人余り、年間1833人程ということになります。
一自治体あたり、1.05人の中途採用と言えます。
政府が、「就職氷河期世代支援」を前面にすることで、自治体の中には新規採用を中途採用に切り替えて対応する自治体もあるものと推測されます。
自治体には大変意欲的に取り組んでいただき、お礼を申し上げる。
自治体への社交辞令的な発言だとしても、今現在地方で働く非正規公務員の方々にとっては、政府の表面的な施策に憤りを感じていることでしょう。
今や、市区町村で働く公務員の3人に1人が非正規(臨時・非常勤職員)です。
その数は、およそ64万人と言われています。
多くの自治体で住民サービスを担う基幹的労働力となっているものの、低処遇の非正規公務員の比率が高まれば、自治体の対応力が低下し、コロナを含め自然災害等、いざというときに機能しない恐れがあると警鐘が鳴らされています。
2020年4月から多くの非正規公務員は「会計年度任用職員」として任用されることとなり、この制度の導入により期末手当を支給する等、処遇改善が見込まれる予定でした。
しかしながら、期末手当の増加分、基本給が減らされ全く改善されないケースや、人件費が上がらないようフルタイムをパートに切り替える等の自治体もみられました。
既存の非正規公務員を総務省は見殺しにしています。
政府は、本当に就職氷河期世代を支援しようと考えているのでしょうか?
「同一労働同一賃金」の観点からも非正規からの正規化は、今後益々望まれることでしょう。
自治体の住民サービスが、危機的状況が想定されるのであれば、非正規公務員の処遇改善について、国民が理解を示すことでしょう。少なくても「アベノマスク」よりも理解されます。