2020年10月6日 NHK NEWSWEB
新型コロナウイルスの影響で広がるいわゆる「テレワーク」について企業の社員に尋ねたところ、8割が満足しているものの、職場の状況が分かりにくいことや人間関係を深めるのが難しいことなどに課題を感じている実態が、筑波大学の研究グループが行った調査で分かりました。
この調査は、社会心理学などの研究者で作る「筑波大学働く人への心理支援開発研究センター」がことし8月から9月にかけて17の企業の社員を対象に行い、4300人余りから有効回答を得ました。
オンラインでの会議について尋ねたところ、新型コロナウイルスの流行前は「月に1回程度」かそれより少ない人が60%を占めましたが、流行後は、「1日に数回」または「1日1回程度」が合わせて半数近くに増えました。
オンライン会議などを活用する「テレワーク」の導入については、「非常に満足している」「満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた人が合わせて80%に上りました。
職場や仕事がどう変わったか、あてはまる項目を聞いたところ、
▽「通勤がなくなり、プライベートの時間が多く取れるようになった」、
▽「コミュニケーションツールの活用が進み、効率がよくなった」、
▽「職場全体がむだな業務を省くようになった」などと答える人が多くいました。この一方で、
▽「職場や同僚の状況や様子が分かりにくくなった」、
▽「業務以外の情報交換が少なくなった」、
▽「新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった」などの課題を指摘する声も多くなりました。調査したグループは、長期化すれば、組織の一体感や、人との交流から生まれる創造性が損なわれるおそれがあると指摘しています。
筑波大学の藤桂准教授は「リーダーがあえて業務以外の会話を取り入れたり、個々のメンバーが取り組むことを全体で共有したりするなど、オンラインと対面のそれぞれのよさを最大限に生かす工夫が求められる」と話しています。
コロナ禍で普及が加速した「テレワーク」
仮にコロナが終息しても、この流れは引き続き継続することでしょう。
ただ、社会が「テレワーク」や「デジタル化」の方向に進むことが、本当に望ましいのか疑問に思います。
大学生がリモートの授業を余儀なくされ、満足なキャンパスライフを送れずにいます。
大学生は勉強する身であり、勉強はリモートでも可能かも知れません。
ただ、キャンパスライフのない大学生活は、大学生としての実感が余りなくつまらないものかと思われます。
サラリーマンも同じことが言えるのではないでしょうか?
サラリーマンは仕事する身であり、仕事はリモートでも可能かも知れません。
会社生活、例えば満員電車での通勤等は、時間的な削減が図られ大きなメリットと言えます。
リモートだと無駄話もなく会議等も効率よく行われることでしょう。
結婚し家庭があれば、そちらに時間を割けることでしょう。
例えば、
一人暮らしの場合、完全なテレワークが実現すれば、生身の人間との会話等コミュニケーションは大幅に減ることでしょう。
リモートで学ぶ大学生のように、実に味気ない生活に成りかねません。
コロナ禍であれば、感染抑止という観点でテレワークは非常に優れた存在ですが、コロナが終息したら、人間として万全な働き方ではないよう思われます。
不満となっているのは、
▽「職場や同僚の状況や様子が分かりにくくなった」
▽「業務以外の情報交換が少なくなった」
▽「新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった」
端的にみれば、どれも「直接的」に仕事や業務に必要とされるものではありません。
「同じ釜の飯を食う仲間」という言葉がありますが、生活を共にしたり、同じ職場で働いたりして、苦楽を分かち合った親しい間柄のたとえです。
テレワークでは、これが実感しにくいことでしょう。
「オンラインと対面のそれぞれのよさを最大限に生かす工夫」
そのバランスが難しい問題かと思われます。