2020年11月9日 秋田テレビ
自宅に母親の遺体を放置し、年金を不正に受給していたとして、死体遺棄と詐欺の罪に問われている兄弟の初公判が9日、秋田地裁で開かれ、2人とも起訴内容を全面的に認めた。
起訴されているのは、秋田県由利本荘市雪車町の無職 菊地進被告(53)と、弟で無職の明被告(51)。2人は、2019年12月から2020年8月にかけて、自宅に母親の遺体を放置したほか、母親が亡くなった後も、年金約60万円をだまし取っていたとして、死体遺棄と詐欺の罪に問われている。
9日の初公判で、2人は起訴内容を全面的に認めた。冒頭陳述で、検察は「2019年11月ごろ、母親が足の痛みを訴え寝たきりの状態になり、進被告は食事を提供するなど世話をしていた。しかし、翌12月ごろ、母親が動かなくなったことに気が付き、明被告も死亡を認識したものの、母親の死亡の手続きをすると受給していた年金が停止されてしまい、自分たちが生活していくのは困難になると考え、犯行に及んだ」と指摘した。
検察は、他にも詐欺罪での余罪があるとして、近く追起訴する方針。次回の公判は12月22日に開かれる。
8050問題と標記していますが、母親の年齢は78歳と報道されています。
2019年12月から2020年8月まで年金およそ60万円であれば、1ヶ月当たり6万円程で生活を営んでいたことになります。
兄弟ともに無職であれば、この年金で親子3人が生活していたのでしょう。
都会であれば、親子3人で約6万円/月の生活は困難かと思われます。
秋田県由利本荘市雪車町をグーグルマップで見ると、長閑な農村風景が見られます。
持家で畑でもあれば、6万円での生活は十分可能かと思われます。
50代の兄弟、大人二人がいながら、何故このような犯罪を犯してしまうのでしょう?
8050問題の根底にあるのは社会からの孤立です。
スマホやパソコン等は、社会と繋がるツールであり、たとえ社会から孤立しても必要な情報を得ることが可能です。
もし、これらのツールがないとすれば、50代の兄弟が自ら情報を得ることは困難なことでしょう。
周りに相談相手がいればいいのですが・・・・
このような事態を未然に防ぐ為には、やはり地方自治体である市町村が、積極的にアウトリーチする(手を差し伸べる)必要性を感じさせます。