2019年10月24日
埼玉県川口市にある自宅のマンションの部屋に80歳の母親の遺体を放置したとして、52歳の無職の長男が逮捕されました。警察の調べに対し「葬儀をする金がなく放置してしまった」と供述しているということです。
逮捕されたのは川口市の無職、古泉貴容疑者(52)です。警察の調べによりますと、古泉容疑者は、今月中旬ごろ、自宅マンションの部屋に母親で同居していた滝江さん(80)の遺体を放置したとして死体遺棄の疑いが持たれています。
警察によりますと、23日、マンションの管理会社から「部屋から異臭がする」という通報が寄せられ、部屋を調べたところ滝江さんが布団の上で死亡していたということです。
部屋には古泉容疑者の45歳の弟もいましたが、意識がもうろうとした状態だったため、病院に運ばれて治療を受けているということです。
警察の調べに対して容疑を認めたうえで「以前から母親の調子が悪く、気が付いたら動かなくなっていた。自分たちも食事をとれず葬儀をする金もないので放置してしまった」と供述しているということです。
警察は、死亡した原因やいきさつなどを詳しく調べています。
出典:NHK NEWSWEB 「葬儀する金ない」 母親の遺体放置の疑いで52歳長男逮捕 埼玉
8050問題の典型となった遺体放置事件。
遺体放置は刑事事件であり、死体遺棄罪は刑法190条に規定されており「3年以下の懲役」とされています。
「部屋から異臭がする」
外部の人間が気付く程の異臭、室内はどれほどの臭気の中、二人の息子がいたのか想像を絶します。
52歳の兄と45歳の弟と二人いながらの惨事は、今回の事件の特徴かもしれません。
誰にも相談することができず、残された子が一人途方にくれる事例は数多く見かけますが、兄弟二人となれば相談できるものと思われます。
「自分たちも食事をとれず葬儀をする金もない」
もし、異臭で気付かれなければ、二人の兄弟は飢え死にしていたかも知れません。
現に、45歳の弟は意識朦朧の状態で病院に運ばれており、その予兆が見られます。
社会から孤立した者が、自らの力でその状況を打破することは困難なことと思われます。
そうであれば周りが気付く必要性があります。
「死臭」で気付くのは、余りにも遅すぎる事態と思われます。