2020年8月15日
東京 世田谷区のマンションの部屋で高齢男性の白骨化した遺体が見つかった事件で、この部屋に住む40歳の男が遺体を遺棄した疑いで逮捕されました。亡くなっていたのは同居していた父親とみられ、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
逮捕されたのは、東京 世田谷区上用賀の無職、照井賢一容疑者(40)です。
今月13日、照井容疑者が住むマンションの部屋で白骨化した遺体が見つかり、警視庁が行方を捜査していました。
その結果、15日午後、川崎市のインターネットカフェにいるのを捜査員が発見し事情を聞いたところ、父親の遺体を放置したことを認めたということです。
警視庁によりますと、調べに対し「ことし1月、父親が動かないので死んでいるかもしれないと思ったが、どうしたらいいか分からず放っておいた。父親とはろくに会話をしていなかった」などと供述しているということです。
父親は70代で病死とみられ、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
出典:NHK NEWSWEB マンションに父親の遺体放置した疑い 男を逮捕 東京 世田谷
別の報道では
連日の猛暑、マンションといった条件から、遺体の発見は「死臭」かと思われましたが、世田谷区から男性の安否確認要請を受けた玉川署員が発見したとの報道があります。
「ことし1月、父親が動かないので死んでいるかもしれないと思ったが、どうしたらいいか分からず放っておいた。父親とはろくに会話をしていなかった」
具体的な供述として、
「別の部屋で生活していた」
「父親と2年ぐらい話していない」
「亡くなっていたのは、薄々分かっていたが、ほっときました」
との報道もあります。
遺体放置事件は8050(7040)問題の典型事例
遺体放置は刑事事件であり、死体遺棄罪は刑法190条に規定されており「3年以下の懲役」とされています。
過去の事例では、
・埋葬するお金がない
等、金銭面を苦に死体を遺棄するケースが散見されます。
親の死後、社会的に孤立した子は生活に困り果てています。
今回の場合、容疑者の男は40歳無職と報道されており、「ひきこもり」か否かは不明です。
今回のケースは8050(7040)問題なのか?
80(70)代の親が50(40)代の子供の生活を支えるという問題で、子供が「ひきこもり」であり、親子が社会的に孤立していることが、ある意味定義されています。
背景にあるのは、ひきこもりの長期高齢化です。
今回のケースでは、40歳の無職男性は今年の1月に父親の死を知りつつも、遺体がみつかる半年以上もの間、マンション生活を続けています。
ネットカフェで発見されており、情報収集や金銭面においても問題がないよう伺えます。
一般に言われる8050(7040)問題とは様相が異なるよう思えます。
今回の事件の詳細がわからないので断言はしませんが、8050(7040)問題とは言い難い面が見られ、単に父親の遺体遺棄事件のように思われます。