大卒なのに高卒と詐称~逆学歴詐称で48歳神戸市職員が懲戒免職!処分は当然か?

独り言

2020年8月14

学歴を偽って神戸市の高卒者向け職員採用試験を受けていたとして、市は14日、水道局の男性事務職員(48)を懲戒免職処分とし、発表した。

市によると、職員は実際には大学を卒業していたのに、高卒者限定の区分で実施された採用試験を受験。1996年から水道局で勤務していた。市では2006年に一部職員の学歴詐称が発覚。自ら申し出れば退職金が出る諭旨免職の扱いとしたが、男性職員は当時の市の調査にも「高卒」と回答していたという。

今年3月に匿名の通報があり発覚した。男性職員は「受験した当時は高卒以上でも大丈夫だと思っていた」と述べているという。

出典:朝日新聞DIGITAL 大卒なのに高卒と詐称し就職…48歳の神戸市職員を免職

逆学歴詐称の問題はいつから

2004年、青森市営バスの男性運転士(当時32)が短大卒なのに高卒と偽っていたことが発覚し「懲戒免職」となったことが問題化の始まりと言われています。

報道にもある通り2006年、神戸市でも同様の問題が発覚し、その当時36人が「諭旨免職」となっています。

懲戒であれ諭旨であれ、どちらにしても発覚すれば免職という厳しい処分です。

就職氷河期の言わば被害者

この頃は、就職氷河期と言われるほどの就職難の時代です。

「学歴詐称で採用された人のせいで本来なら受かっていたはずの人が不採用になっており、その方々を考えれば免職でなければ示しがつかない」

そういった時代背景が厳しい処分を生み出したことと考えられます。

2007年3月、大阪市は学歴調査を実施しました。

3月29日までに学歴詐称を自主申告した場合は、停職1ヶ月とするが、それ以降に発覚した場合は即、懲戒免職

というものでした。

この調査で、なんと400人以上が自主申告しています。

この問題の根深さを露呈した事象と言えます。

受験資格を満たしていないことが判明した場合、そのことを理由に免職にするというのも一つの考え方でしょう。

ただ、何年も働いている職員の生活を奪うのは厳しいという考え方もあります。

最近発覚した神戸市の逆学歴詐称

〇2018年11月26日

最終学歴を詐称したとして、経済観光局の男性事務職員(63)を懲戒免職
(再任用職員)

〇2019年3月28日

最終学歴を詐称していたとして水道局職員(42)を懲戒免職

共通するのは、2006年度の学歴全庁調査で上司に虚偽の報告をしている点と匿名での通報による発覚です。

さいごに

一見すると「懲戒免職」という厳しい処分に思えます。

しかしながら過去を踏まえれば、致し方のない判断かと思われます。

2006年度の全庁調査で、正直に名乗り出た方は免職しており、虚偽報告した者が生き残っては示しがつきません。

ただ、時効のような考えはないのでしょうか?

逆学歴詐称が発覚すれば即懲戒免職、職員になってからずっと重い十字架を背負いつづけてきました。

大阪の2007年の調査を踏まえれば、逆学歴詐称で公務員になった方は、全国にも多く存在することでしょう。

就職氷河期という時代が生み出した逆学歴詐称、今後も発覚すれば「懲戒処分」という判断は、このままでは残り続けていくことでしょう。