全世代型社会保障検討会議の位置付けとは?既存制度を維持する議論はやめて欲しい!

社会情勢

2019年11月26日

全世代型社会保障制度の実現に向けた政府の検討会議が開かれ、有識者メンバーからは、来月まとめる中間報告に、75歳以上の医療機関での窓口負担の引き上げなど、医療分野の給付と負担の在り方を含め、改革の全体像を示すべきだという意見が相次ぎました。

26日開かれた政府の「全世代型社会保障検討会議」は、先週までの各団体へのヒアリングを踏まえて意見交換を行いました。

この中で、有識者メンバーからは、高齢化で財政の悪化が見込まれる医療保険制度を維持するため、75歳以上の後期高齢者の窓口負担の2割への引き上げや、外来受診の際、窓口負担に一定額を上乗せする「定額負担制度」の導入を求める意見が出されました。

そして、来月まとめる中間報告には、こうした医療分野での給付と負担の在り方を含め、改革の全体像を示すべきだという意見が相次ぎました。

これを受けて、安倍総理大臣は「70歳までの就業機会の確保や、厚生年金の適用範囲の拡大に加え、医療などの分野も含めて、年末の中間報告や来年夏の最終報告に向けて具体的な調整を進めていく」と述べました。

医療分野の給付と負担をめぐっては、日本医師会から、「定額負担制度」など患者負担の増加につながる改革は慎重に進めるよう求める意見が出されていて、中間報告でどこまで方向性を打ち出すかが焦点となりそうです。

出典:NHK NEWSWEB 全世代型社会保障制度改革 来月の中間報告で全体像を示すべき

 

「全世代型社会保障検討会議」の位置付けとは?

少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討を行うため、全世代型社会保障検討会議を開催します。

出典:首相官邸HP

社会保障制度とは、国民の最低限の生活を実現するためのものです。

その中でも、年金や医療費等が大きな課題と言えるでしょう。

公的年金に関しては、「2000万円報告書」からもわかる通り、サラリーマンのモデルケースですら自助努力が必要と言われています。

国民の最低限の生活は保障されていないと言っていいでしょう。

サラリーマンのモデルケースを言い換えれば、「終身雇用」の「正社員」と言えるかもしれません。

終身雇用は崩壊し、非正規社員やフリーランス等が多くなった現状を「ライフスタイルが多様」と表現しているよう思えます。

厚生年金ですら老後生活が危うい中、国民年金だけに委ねる生活は、生活保護レベルを下回る生活を余儀なくされます。

加えて少子高齢化が追い討ちをかけ、財政面はより厳しい状況になっていきます。

抜本的な見直しが必要な時期に来ているのは明らかです。

安倍総理大臣は、

「70歳までの就業機会の確保や、厚生年金の適用範囲の拡大に加え、医療などの分野も含めて、年末の中間報告や来年夏の最終報告に向けて具体的な調整を進めていく」

この発言からも年金問題が主であるよう伺えます。

あくまでも憶測ですが、

政府は、現行の年金制度に表立って問題があるとは言えない状況かと思われます。

「全世代型社会保障検討会議」という名称で、あえて論点を曖昧にしているよう感じさせられます。

 

全世代型社会保障検討会議とは、ある意味、未来の社会保障制度について、一から話される場という位置づけに思われます。

有識者メンバーからは、高齢化で財政の悪化が見込まれる医療保険制度を維持するため、75歳以上の後期高齢者の窓口負担の2割への引き上げや、外来受診の際、窓口負担に一定額を上乗せする「定額負担制度」の導入を求める意見が出されました。

現行制度維持上の課題は、社会保障改革推進会議等の別の会議で話し合われていることで、それを踏まえての全世代型社会保障検討会議という位置付けだと、以前西村大臣(全世代型社会保障改革担当大臣)は説明しています。

11月8日、全世代型社会保障検討会議から言わば外された、経団連や健保連等の5つの団体は厚生労働省を訪れ、高齢化で財政悪化が進む医療保険制度の改革を会議で取り上げるよう加藤厚生労働大臣宛てに要望書を提出しました。

加藤厚生労働大臣は、全世代型社会保障検討会議のメンバーであり、既存団体から言わば圧力をかけられたよう伺えます。

既存の制度ありきでは、全世代型社会保障検討会議の意味はありません。

全世代型社会保障検討会議とは、どんな会議なのか?

政府が、きちんと既存団体に会議の位置付けを説明せずに行った点にも問題があります。

会議から除かれ、ヒアリングだけの意見しか求められない既存団体が、疑心暗鬼になるのも当然のことかもしれません。

改革の全体像をどう示すのか、来月の中間報告が注目されます。