2019年12月10日
75歳以上の人の病院などでの窓口負担の引き上げについて、自民党の戦略本部では所得に応じて負担を求める「応能負担」の制度に見直すべきだという意見が相次ぎました。
全世代型の社会保障制度の実現に向けて検討している自民党の戦略本部では、政府の検討会議が今月中に中間報告をまとめるのを前に、医療分野の給付と負担の見直しを議論しました。
このうち75歳以上の後期高齢者の病院などでの窓口負担の引き上げについて、出席者から患者の負担が増えるとして慎重な検討を求める声が出た一方、世代間のバランスをとるために原則2割に引き上げるべきだという意見も出されました。
また、年齢でなく所得に応じて負担を求める、いわゆる「応能負担」の考え方に基づいて制度を見直すべきだという意見が相次ぎました。
一方、外来受診の際に一定額を上乗せする「定額負担制度」の導入については、受診の抑制につながるなどと反対意見が大勢を占めました。
戦略本部では、さらに議論を重ね、来週にも提言をまとめることにしています。
出典:NHK NEWSWEB 医療は所得に応じて「応能負担」に見直しを 自民 戦略本部
75歳以上の自身を、あなたは想像できますか?
男性であれば、「健康寿命」がおよそ72歳、「平均寿命」がおよそ81歳、75歳はその中間に位置する年齢です。
健康面に自信のある方もいれば、自信の無い方もいることでしょう。
「健康寿命」や「平均寿命」といった「指標」があるので、75歳以上のおおよその立ち位置は何となく見えてきます。
一方、75歳以上の自身の「お金」についてはどうでしょう。
一般に年金を65歳で受給開始するとすれば、年金生活10年目以降と言えます。
その時点での家計状況を予測するのは、不確定要素が多く難しいことです。
現状における75歳以上の家計状況は?
収入の多くは年金を含む雑所得と言えます。
何か個人事業でも営んだり、不動産所得があれば別ですが、多くが公的年金に頼っています。
現状において、75歳以上の高齢者が受け取っている年金は「100万円未満」が最多と言われています。
もう少し言えば、分布上「50万円~80万円」が最も多く、約4分の1を占めています。
現役世代で500万円~800万円稼ぐ方の1万円は、この分布上の方にすれば千円の重さと言えます。
現状においても、
FPとして、年齢ではなく所得に応じて負担を求める、いわゆる「応能負担」の考え方に基づいて制度を見直すべきだという意見に賛同します。