2019年12月2日
政府が75歳以上の人の病院などでの窓口負担を原則1割から2割に引き上げる方向で検討していることについて、公明党の会合で、慎重な検討を求める意見が相次ぎました。
全世代型社会保障制度の実現に向け、政府は、75歳以上の後期高齢者の病院などでの窓口負担を原則1割から2割に引き上げる方向で、検討に入っています。
これについて、2日開かれた公明党の会合では「患者の負担が増えるので引き上げは難しい」など、慎重な検討を求める意見が相次ぎました。
そして、窓口負担を2割に引き上げた場合に、どの程度の影響が出るのか所得別に試算したデータがなければ、議論が深まらないとして、データを提出するよう政府に求めました。
公明党は、来週以降、医療制度改革も盛り込んだ提言をまとめることにしていて、政府の検討会議が、今月まとめる中間報告に反映させたい考えです。
出典:NHK NEWSWEB 75歳以上の病院窓口負担2割に引き上げに慎重論相次ぐ 公明
窓口負担を原則1割から2割へ
経団連や健保連等、言わば現役世代の負担を担う団体から政府に出された要望です。
健保連の佐野副会長は
「2022年には、団塊世代が後期高齢者になり始め、医療費急増が見込まれる中で、現役世代や企業の負担は限界を迎えている。給付と負担の見直しは早急の課題なので、ぜひとも早い段階で会議で議論をしてもらいたい」
健保連とは、一定規模以上の社員のいる企業、言わば大企業が設立する健保組合の連合組織です。
国民全体から見れば、優位な大企業やその従業員の負担が限界と主張しています。
本当に限界なのでしょうか?
社会保障制度とは、国民の最低限の生活を実現するためのものです。
全世代型社会保障制度の実現に向け、政府は、75歳以上の後期高齢者の病院などでの窓口負担を原則1割から2割に引き上げる方向で検討に入っています。
政府は一方的な意見を聞き入れた感があります。
全世代型と言っているにも関わらず、なぜ後期高齢者の窓口負担を増やす議論から進められるのか理解に苦しみます。
一番に守らなければならない後期高齢者の負担を根拠を示さず、原則1割から2割と引き上げるのは横暴です。
公明党は、高齢者側の立場をとり歯止めをかけたことになります。
75歳以上の高齢者の多くが「年金生活者」と言えます。
仮に、公的年金で問題なく生活できるのであれば、医療費の負担増に議論の余地はあります。
75歳以上の高齢者の年金生活とは、どのような生活(家計状況)なのでしょうか?
高齢者の負担を議論するのであれば、将来的に想定される年金生活(家計状況)をライフスタイル別のモデルケース等で示さなければなりません。
公明党は「所得別に試算」という表現で同じことを言っています。