生活保護の申請件数が昨年、12年ぶりに最多を記録しました。厚生労働省の速報によれば、2024年の申請件数は25万5,897件と、前年比で818件(0.3%)増加。新型コロナの影響が本格化した2020年以降、5年連続で増加傾向が続いており、制度の集計方法が変わった2013年以降で最多となりました。
特に注目すべきは、年代別の受給者数において、50代・70代以上に加えて、20代の若年層が増え続けている点です。高齢者や中高年の困窮はある程度想定されるものの、働き盛りのはずの若者が生活保護に頼らざるを得ない状況は、労働市場の構造的な歪みを示しているのではないでしょうか。
50代と70代以上で生活保護の受給者数が増えるのは、ある程度想像ができます。
50代の転職は一般に厳しい状況にあり、又70代も働きたくても働き場所がないといった、労働市場の問題があるよう思えます。

20代は若さを武器に開けた労働市場では?
しかし現実には、若者がその「若さ」を活かせる環境が整っていないように思えます。
いまだに学歴偏重の採用文化が根強く残っており、「どこで何を学んだか」よりも「どの大学を出たか」が重視される場面が少なくありません。
けれども今や、知識やスキルはAIやオンライン学習で誰でも補える時代です。
本来、若者の価値は
「将来にわたって企業に貢献できる時間の長さ」や「新しいものを吸収する柔軟性」、そして「比較的健康であること」などにあるはずです。
にもかかわらず、そうした本質的な価値が正当に評価されていないよう思えます。
参考記事では、
若者の貧困については、「ここ最近、大企業を中心に初任給の引き上げなど賃上げの動きはあるが、非正規などの不安定な雇用の若者にはその恩恵は行き渡っておらず、物価高騰のダメージだけがのしかかっている。親世代や祖父母世代にも頼れなくなり、苦しんでいる現状があると思う」と分析しています。

もう非正規での雇用はやめませんか?
同じ職場に正規と非正規が存在するのが、今ではあたり前と考えてしまいますが、もともとは正規社員しかいませんでした。
昭和において、皆が一緒になって「中流」を目指せたのは、皆正社員だったからだと思えます。
どこかの時点で、週40時間働くのであれば若者の採用は正社員のみにし、非正規は徐々に撲滅するといった方針が必要と思えます。
20年~30年掛けて、非正規を撲滅しなければ、永遠とこの問題から脱出できないことでしょう。
全て正社員が望ましいですが、「非正規採用は中高年に限定する」等すれば、安価な労働力として中高年のニーズも高まるかもしれません。