2020年10月13日 西日本新聞
西日本鉄道は12日、グループ会社が発行するICカード乗車券nimoca(ニモカ)を購入すると500円分のポイントを付与するキャンペーンで、付与額とカード返却手数料の差額を得る目的で同一人物による大量作成があったとして、9日にキャンペーンを中断したことを明らかにした。
キャンペーンは9月14日に開始し、今月31日まで実施予定だった。記名式ニモカを新規購入した人に、電車やバス代のほか、電子マネーとして使える500円分のポイントを付与する。西鉄によると、同一人物が大量のニモカを購入したことが判明し、差益目的とみられ不適切と判断した。
ニモカは預け金を払って購入し、返却する際に預け金は戻るが220円の手数料を取られる。今回は500円分のポイントがもらえるため、1枚当たり280円分の差益が得られる仕組みだった。ポイントは今月末に付与予定で、不適切購入とみられるカードにも付与せざるを得ないという。
ニモカは2008年に発行を始めた。新規入会者にポイントを付与するのは初めてで、今回の事態は想定していなかった。西鉄はキャンペーン再開について「未定」としている。
商品の料金と付与ポイントの差額を搾取する所謂「錬金術」
「Go to Eat」においては、「トリキ錬金術」なる言葉が世間を賑わせました。
今回はポイント付与額500円に対し、カード返却手数料220円、カード1枚当たり差額280円が得られる仕組みです。
記事中には
ポイントは今月末に付与予定で、不適切購入とみられるカードにも付与せざるを得ないという。
とあります。
100枚で28,000円、1000枚で280,000円の差益になります。
一体、大量作成とは何枚なのでしょうか?
「記名式ニモカの新規購入」であれば、虚偽が無ければ本名を晒しての事となります。
そうであれば、とても大胆な行動に思えます。
今回の事態を企業側は、「想定外」と公表していますが、これだけ錬金術が横行すると今後は「想定外」という言葉は使えなくなるでしょう。
マスコミや報道では、錬金術をする者を「モラルがない等」非難する傾向にありますが、今後は企業側のポイント等の制度設計に非難が向けられていくよう思われます。
なぜなら、企業側がしっかりと対策を施せば「錬金術」は生まれることはありません。
仮に、法的に問題のない錬金術をする者が「悪者」であるならば、「悪者」を生み出したのは企業に他ありません。