ニュースの砂漠化問題
アメリカでは、ここ15年間で約1800紙の新聞が廃刊となっており、特に地方の情報が得られないことが社会問題となっています。
日本でも活字離れと伴に「新聞離れ」が進み、新聞各社は売上に苦戦を強いられています。
情報はインターネットで簡単に入手でき且つ無料の時代です。
新聞は有料の紙面情報であり、お金を払ってまでも有益な情報を得ようとする読者は、今後も減少の一途となることでしょう。
しかしながら、インターネット情報にも欠点があります。
情報ソース(情報元)の「信頼性」と「信憑性」です。
アメリカでは、フェイクニュースを含む膨大な情報に溢れ、本物と偽物の情報が混在することから「ニュースのジャングル」と呼ばれ、「ニュースの砂漠」同様に深刻化しています。
日本においても、災害時など報道が機能しない状況下でフェイクニュースが横行します。
アメリカでは地方の新聞社が消え、日常でも報道が機能しない状況が慢性化し「ニュースのジャングル」が社会問題化しているものと思われます。
日本では、廃刊することなく地方紙が存在することで、フェイクニュースの抑制が図られているのかもしれません。
日本では地方紙が連携「JOD連携協定」
JODの先駆的な存在が「西日本新聞」です。
同社は「あなたの特命取材班(通称:あな特)」と称し、独自の「オンデマンド調査報道」を展開、その動きを全国展開しようとしています。
2019.10.15
「あなたの特命取材班」フォロワーは1万2000人超に
無料通信アプリLINE(ライン)などで記者が読者と直接つながり、双方向のやりとりと新聞社の取材力で、疑問解消や地域・社会の課題解決を目指す本紙の「あなたの特命取材班」(あな特)がスタートしてまもなく2年。LINEでつながる「あな特通信員」は約1万2千人に達した。寄せられた調査依頼は7千件を超え、約300本を記事化してきた。
かんぽ生命保険の不正販売問題をはじめ、さまざまなスクープが生まれた。携帯電話会社がキャリア決済(電話料金合算払い)の不正利用詐欺被害補償制度を整備したり、福岡市が新生児聴覚検査費用の全額助成を始めたりと、あな特の報道が制度の改善につながった事例も少なくない。
あな特を皮切りに「オンデマンド調査報道」(ジャーナリズム・オン・デマンド、JOD)に取り組む地方紙も相次いでいる。
本紙は各紙と
①取材・報道手法のノウハウ
②掲載記事
③調査依頼や内部告発の情報
を共有し、協働調査報道などに取り組む「JOD連携協定」を結んだ。パートナーシップの輪は本紙を含め15紙、2放送局、1ローカルウェブメディア-の18媒体に広がった。
新聞社の強みは、何と言っても「取材力」だと思います。
活字で報道する以上、間違った報道は許されず真相を追及します。
情報ソースとしての信頼性は、各段に高いものです。
新聞社はSNSで個人と繋がり、より身近な存在になろうとしています。
個人は情報ソースとしては信頼性に乏しく、一般的に情報発信しても影響力が低いものです。
新聞社は、個人の情報を元に取材を重ね、確かな情報として報道します。
新聞社にしてみれば、SNSで繋がる個人の全てが「記者」であり、細かな情報を得ることができます。
個人と新聞社が「持ちつ持たれつ」の関係にあるよう伺えます。
今後懸念される問題
JODはとても魅力のある報道スタイルに思えます。
新聞業界について、詳しく理解していませんが、このまま「新聞離れ」が進むことでアメリカのように廃刊にならないか懸念されます。
紙面が売れての新聞であり、販売部数が減れば広告スポンサーも減ることでしょう。
何か新たな収益源があればいいのですが・・・・