【経団連】更なる消費増税を提言!大企業の冬賞与最高と潤う中での無神経さ

独り言

2019年11月14日

経団連は年金や医療、介護といった社会保障制度を持続可能なものにするため、先月、10%に引き上げた消費税率をさらに引き上げることも有力な選択肢の一つとして、国民的な議論を行う必要があるとした提言をまとめました。

それによりますと、国民の将来不安を払しょくするためには、巨額の債務を抱える財政の健全化が必要で、国民の理解を得ながら歳出・歳入両面の改革が不可欠だとしています。

そのうえで、将来世代に社会保障制度を持続可能な形で引き継ぐために、消費税率を10%からさらに引き上げることも有力な選択肢の一つとして国民的な議論を行うべきだと提言しています。

政府はことし9月、全世代型社会保障制度の構築に向けた検討会議を設置して社会保障の給付と負担のあり方について議論を進めていますが、消費税率のさらなる引き上げは現時点では検討していないとしています。

経団連は「社会保障などの歳出面の改革に加えて、国民負担の増加を伴う財源の確保は避けて通れない課題で、消費税率のさらなる引き上げについては国民的な議論を喚起すべきだ」としています。

出典:NHK NEWSWEB 経団連提言 消費税率さらに引き上げも 社会保障を持続可能に

 

一般社団法人 日本経済団体連合会(略称:経団連)とは、そもそも何を目的とした組織なのでしょう。

経団連は、日本の代表的な企業1,412社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(2019年4月1日現在)。

その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。

出典:経団連HPより

消費増税が10月に実施され1ヵ月半、経団連が「更なる消費増税」を今から促すのは、如何なものかと思われます。

消費増税には「副作用」があります。

それは言わずとも「景気の冷込み」です。

前回の5%から8%の消費増税の際は、副作用である景気の冷込みが長期間続き景気が低迷しました。

今回の8%から10%への消費増税では、政府はそのことを最も懸念し、多額の税金を費やし景気対策をしています。

総合経済団体として時期尚早な発言であり、日本経済の発展や国民生活に寄与する組織団体としての発言としては軽率に思えます。

話は変わりますが、

11月12日、パートなどで働く短時間労働者への厚生年金の適用拡大をめぐって、自民党のヒアリングが行われ、経団連は「老後の安心につながる」として拡大に賛成する考えを示しました。

11月5日、同ヒアリングで中小企業の団体から保険料の負担が増え影響が大きいとして、緩和が検討されている企業規模の要件について、現状維持や段階的な引き下げを求める意見が多く出されていました。

わすか1週間前に、中小企業の団体から切実な意見が訴えられ報道されています。

中小企業に支えられている大企業も多く存在することでしょう。

日本の代表的な企業が集まる経団連が、中小企業の意見を蔑ろにし「老後の安心につながる」との意見で賛同するのは、何か「他人ごと」のように思われます。

また、パート等で働く場合、厚生年金が「老後の安心につながる」とは思えません。

話を戻します。

更なる消費増税を提言した時を同じく、経団連は大企業の冬のボーナスが平均96万円で、この時期の集計では過去最高と報道されています。

大企業が潤いを見せる中、このタイミングで、政府に更なる消費増税を提言する経団連の神経を疑います。

「消費税」を上げる前に、「法人税」を見直すべきだと多くの国民が思うことでしょう。