FP資格が「役に立たない」と言われる理由は?その真意は?

FP

FP資格が役に立たないと言われる理由①:資格自体の効力が弱い

一般に資格とは、

①何らかをするための条件や要件、ある行為や職に就くために必要なもの。
②なんらかの一定の能力を持つことを示すもの
と言われています。
①の具体例として、
・自動車免許がなければ、公道で自動車を運転することはできません。
・医師免許がなければ、手術等の医療行為ができません。
・危険物取扱者でなければ、危険物を取り扱うことができません。
①に該当する資格を「業務独占資格」と言います。

資格のない者が、その行為を行うと法律で罰せられるよ

FP資格は「業務独占資格」ではない

FPは、誰でも名乗ることができ、知識や経験があれば無資格でも、それを活かして仕事をすることができます。

資格のない者が、FPと名乗り仕事をしても法律で罰せられないよ

FP資格は、前述②「なんらかの一定の能力を持つことを示すもの」に該当します。

FP資格は「名称独占資格」です

FPは誰でも名乗れると言いましたが、
一定の能力を持つことを示す
「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」
と名乗ることはできません。(〇には、1~3の数字が入ります)
このような資格を「名称独占資格」といいます。
名刺等に記載する際は、正式な名称で記載することが求められます。
例えば、
「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」
とても立派な文字数の多い肩書ですね。
しかしながら、3級では名刺に記載することに、抵抗感のある方が多く存在します。

なんか恥ずかしい・・・・

資格の難易度等のレベルに比べ、この長々しい立派な「資格名称」が、抵抗感を生み出す原因かも知れません。
国家資格の場合、名刺等への資格記載には細かなルールがあります。
ファイナンシャル・プランニング技能士     (等級非表示はNG)
ファイナンシャル・プランニング○級技能士   (等級の表示位置がNG)
ファイナンシャル・プランニング技能士(○級) (等級の表示位置がNG)
○級FP技能士                 (正式職種名の表示方法がNG)
○級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士(正式職種名の表示方法がNG)
出典:一般社団法人 金融財政事情研究会 技能士資格の表記方法について

「3級FP技能士」もダメですね

ここまでを少しまとめます。
FP資格は、「業務独占資格」ではありません。
そのため、FPと誰でも名乗ることができ、知識や経験があれば無資格でも仕事ができます。FP資格は、「名称独占資格」です。
一定の能力を持つことを示す、
「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」
と名乗るのは、資格者以外は認められません。

FP資格が役に立たないと言われる理由②:金融系企業の営業ツール

FP資格を取得する8割は金融系企業に属する方と言われています。
金融系企業とは具体的に、
・銀行
・証券会社
・保険会社等
金融系企業の多くが、FP資格の取得を推奨しています。
なぜ、金融系企業がFP資格の取得を推奨しているのでしょう?
それを話す前に、FP資格の構成について説明します。
FP資格は、6つの柱で構成されています。
1.ライフプランニングと資金計画
2.リスク管理(保険制度全般)
3.金融資産運用
4.タックスプランニング
5.不動産
6.相続・事業継承
これは、国家資格の1級~3級、民間資格のAFP、CFPにおいても共通しています。
この構成の意味するところは、

1.ライフプランニングと資金計画の立案にあたっては、

以下の2~6を踏まえ、

2.リスク管理(保険制度全般)→ 専門家:金融系企業
3.金融資産運用       → 専門家:金融系企業
4.タックスプランニング   → 専門家:税理士等
5.不動産          → 専門家:不動産業者等
6.相続・事業継承      → 専門家:弁護士、司法書士等

計画を立てる必要があります。

といった意味合いがあります。
ライフプランニングと資金計画の立案には、金融系企業が不可欠だということです。
なぜ、金融系企業がFP資格の取得を推奨しているのでしょう?

消費者の個々のライフプランや資金計画にマッチした商品を提供するためには、FPは不可欠なものであり金融系企業は資格取得を推奨しています。

FP資格は言わば、金融系企業における営業ツールと言えます。

金融系企業に属する方であればFP資格は必須なものと思われますが、全く関わりのない業種であれば全く役に立たないかも知れません。

FP資格が役に立たないと言われる理由③:専門外の個別案件に対応できない

1.ライフプランニングと資金計画 → 専門家:FP

2.リスク管理(保険制度全般)  → 専門家:金融系企業
3.金融資産運用         → 専門家:金融系企業
4.タックスプランニング     → 専門家:税理士等
5.不動産            → 専門家:不動産業者等
6.相続・事業継承        → 専門家:弁護士、司法書士等
専門外の個別案件とは、
たとえば、
プランニングの中で、税金に関する相談を受けることがあります。
この場合、相談者に個別具体的な納税にかかわることを答えると税理士法違反となります。
仮定の事例に基づいた計算をしたり、一般的な税金の仕組みについての説明はできます。
不動産業を営むFPであれば、不動産の個別案件については当然相談できます。
見る人によっては、中途半端な知識で役に立たないと思われるかも知れません。
FPへの相談は、ピンポイントの個別案件には向きませんが、
例えば、「老後のお金が不安」といった漠然とした問題に向いています。
「老後のお金が不安」といった漠然とした問題は、ネット検索でも解決しにくい問題です。
個々のファイナンシャルの状況を分析し、不安を取り除きアドバイスできるのがFPです。
以上、主だった理由を3点書き出してみました。
資格を活かすも殺すも、最終的にはその人次第です。