FP資格を取得しても何もできない?ある意味FPは何もできなくても大丈夫!

FP

FPは、誰でも名乗ることができ、知識や経験があれば無資格でも、それを活かして仕事をすることができます。

国家資格であるFP資格は「名称独占資格」であり「業務独占資格」ではない為、資格を取得したからと言って何かができる訳ではありません。

もしワンストップで顧客の悩みを解決するFPがいたとしたら、そのFPに必要となる主な資格について考えてみましょう。

 

FPのワンストップ化に必要な資格について

①リスク管理(保険全般)

保険は金融商品であり、販売等の行為において資格が必要となります。

生命保険を扱うのであれば「生命保険募集人」の資格が必要となります。

又、リスクの高い変額保険を扱う場合には「変額保険販売資格」が必要です。

損害保険は、「損保一般試験」の他、商品単位の試験として「自動車保険」「火災保険」「傷害疾病保険」等があります。

②金融資産運用

証券等を扱うのであれば、「証券外務員資格」が必要となります。

また、証券外務員として実際に活動する際には、金融商品取引業者等(証券会社等)に就職した後、その氏名等を金融庁にて登録することが金融商品取引法により義務付けられています。

「証券外務員資格」あくまでも証券を販売するのに必要な資格であり、「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)」等の専門性の高い資格も必要かもしれません。

③タックスプランニング

タックスプランニングとは、将来の税金の支払いを最小限に抑えるために、資産運用や投資、保険、相続などの分野において、税制を活用した計画を行うことです。

プランニングに必要な資格は特にありません。

しかし税法や会計の知識が必要であり、その為には「税理士」「公認会計士」等の資格が必要となります。

顧客が個別の案件として、税務書類の作成を依頼された場合等は「税理士」でなければできません。

ワンストップするには「税理士」の資格は必須と考えられます。

④不動産

不動産に関わる資格はたくさんありますが、不動産の売買等と言った面では「宅地建物取引士」が必須となります。

不動産は、人生の中で大きな買い物であり、物件購入は勿論、特に住宅ローンの選定は顧客の利益に大きな影響を及ぼします。

資格以上に、不動産に関する知識や経験が豊富であり、実務に精通していることが重要となります。

⑤相続・事業継承

相続や事業継承を行うには、様々な知識や経験が必要となります。

具体的な資格としては「税理士」「弁護士」「司法書士」「不動産鑑定士」「中小企業診断士」等が挙げられます。

専門家や士業との連携

FPは、個人や家族の将来の経済的な不安を解消し、安心して生活ができるよう、一人ひとりのライフプランに応じアドバイスします。

金融、税務、不動産、相続などの分野の専門知識を持ち、それらを総合的に活用して個人の資産形成やライフプランニングを支援する存在です。

上で説明した①~⑤の専門知識を全て持ち合わせるのが理想ですが、資格を取得するだけでも相当大変です。

仮に資格を全て取得しても、実務経験がなければ顧客に有益なアドバイスはできないことでしょう。

また①~⑤の業務は日々進化しており、常にブラッシュアップが必要となります。

基本的にFPは、専門家や士業と連携することで顧客の悩みを解消するのが前提と考えられています。

FP資格の意義

FPは、ライフプランニングと資金計画立案の専門家で、幅広い知識を持ち合わせる必要があります。

専門的な実務レベルの知識を兼ね備えることは望ましいことですが、分野が多岐にわたり一人のFPにそれを全て求めるのは酷なことです。

個々のファイナンシャル状況を分析し、顧客の不安を取り除きアドバイスできるのがFPであり、逆に特化した専門知識だけでは、人生における総合的なお金の不安解消には至らないよう思えます。

「ある意味FPは何もできなくても大丈夫!」と記したのは、専門分野は専門家や士業の方に任せ連携すればいいと言った意味です。

FP資格の意義は、ライフプランニングや資金計画を立案する上で、幅広い知識を学んだ証と言えます。